2009年10月9日、台風一過の晴天を期待して奥多摩の大岳山に行ってきました。2011年5月15日はこちら。
自宅近くの駅を始発で出ると、JR青梅線御岳駅には7時ころ着きます。駅前からケーブル下の滝本駅までのバスは7時30分発。この路線はICカードも使えるようになっていました(270円)。ケーブルカー出発は7時55分です(始発は7時30分)。お客さんは私を入れて二人だけでした。ケーブルカーは海抜407.4mから一気に831.0mの御岳山駅まで運んでくれます(往復1090円)。駅前は広場になっていて、ここから素晴らしい関東平野の展望が得られます。この日は、遠く筑波山までもくっきりでした。
8時10分ころから歩き始めます。しばらくは御岳山神社の参道を歩くことになります(地図はこちら)。水平だった参道が登りになるころから宿坊が現れ始めます。結構きつい登りです。そして山の中に町が現れます。かつては学校もあったくらいの町です(今は子供たちはケーブルカーを利用してふもとの学校に通っています)。宿坊やお土産屋さんなどです。
御岳神社の上る階段の途中から、大岳山方面の登山道が分岐します。長尾平付近まではほぼ水平な道。ここでまっすぐ大岳山を目指す道と別れ、七代(ななよ)の滝に降り降ります。七代の滝までは結構下ります。七代の滝は上下に続く結構立派な滝で、見えるのはその中程の滝になります。この日はまわりの岩が濡れてすべるのでちょっと緊張、かつて滑落事故もありました。
滝からはいくつかに別れた長い鉄の階段を上ることになります。階段を登り切ったところに天狗岩があります。天狗岩は、はじめは鎖、後半は木の根を利用して登ることができます。登ると高度感満点、絶壁の上に出ます。天狗岩のてっぺんには小さな天狗の像が置かれています。元に戻り、岩石圏(ロックガーデン)に入ります。ここから振り返って見上げると天狗岩がすごい高さであることがわかります。
岩石圏は清流が流れる沢と緑(新緑や紅葉も)の散策コースです。ただ、この日は前日の台風のため増水していて、沢をわたる踏み石や道が冠水している場所もありました。岩石圏の最後が綾広の滝です。ふだんは繊細な滝ですが、この日は水量も多く立派な滝になっていました。滝の脇の道を登り切ると、大岳山への道と合流します。ここには四阿もあります。9時45分ころになっていました。
ここから芥場峠までが少しきつい登りとなります。峠は大岳山と高岩山の分岐でもあります。高岩山から岩石圏に降りることもできますが、すごい下りです。大岳山への道は所々登りがあるという程度の道です。でもときどき「滑落注意」の看板や、鎖場も出てきます。とはいっても、それほど大変なところではありません。鉄の階段、最後の鎖場を越えると大岳山荘です。近くにはなぜか宗教施設のようなものもあります。大岳山荘は閉鎖されているようです。ここに泊まることができたら、テラスから素晴らしい東京の夜景を見ることができるのですが、でも、小屋もそのテラスも荒れて立ち入り禁止になっていました。また小屋近くトイレ前のコンクリートのテラスも崩壊の危険があるということで立ち入り禁止です。管理ができなくなっているようです。
ここから大岳山の山頂までは少しきつい登りですが、20分ほどですから我慢して一気に登ります。頂上(1266.9m)には11時10分ころ着きました。青空を背景の富士山を期待していたのですが、残念ながら背景は白い高雲、富士山も大部分が雲に隠れシルエットです。でも、富士山を隠している雲は流れているので、お昼のおにぎりを食べながら待つことにしました。
丹沢や三つ峠などはよく見えます。そして雲が流れて富士山も見え出しました。江ノ島、横浜や房総半島までも見えました。
11時50分ころ下山開始。少し体調が悪かったようで、ここまでで少し疲れていましたが、でもこのままケーブルカーの駅までまっすぐ帰るのも何なので、鍋割山や奥の院経由で戻ることにしました。鍋割山まではそうたいしたことはない登りです。鍋割山頂上(1084m)は何も展望がないのでそのまま通過。いったんかなり下ってから奥の院への急登になります。ここは少しきつい。奥の院山頂は東側が開けていて素晴らしい展望です。
御岳神社奥の院下で道が左右に分かれ、道標もないので迷いましたが、右の道を降りることにしました。所々にロープも張ってある急降下です。ようやく降りきったところは、長尾平と綾広の滝上部の中間付近でした。左の道を降りれば長尾平に出られたことになります。売店もある長尾平分岐から10分ほど歩いて長尾平の末端まで来ると素晴らしい展望が得られます。都心ばかりか、この時間になってもまだ筑波山もよく見えました。
分岐に戻り、でもこのままケーブルカーの駅に戻るのも何なので、久しぶりに御岳神社の本社にも行ってみることにしました。メインルートから夜間通行禁止の脇道(近道)を通って本社に登ります。この宝物殿には畠山重忠の鎧も奉納されています。立派な本社の裏には、大口真神(おおぐちまがみ、日本武尊を助けたおおいぬ(狼)さまがご神体)の小さな社もあります。
神社を下って、町並みを抜け(時間限定で開いている診療所もあります)、ビジターセンター(旧分校)を過ぎると家もなくなり、でもすぐにケーブルカーの駅になります。駅に戻ったのは15時45分ころでした。7時間半程度の思わぬ長丁場となりました。
最後は例によりJR御岳駅前の玉川屋で打ち上げです。この日は天ぷらそば(1,400円)とそばビール(650円)、そして澤乃井の本醸造(750円)、合計2,800円の豪遊でした。
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ケーブルカー頂上の御岳駅前の展望台。後ろに筑波山が見えます。 | 御岳山神社参道のお土産屋さん街。 | 七代の滝。 | 天狗岩。この鎖を伝って登ることができます。 | 岩石圏(ロックガーデン)。 |
綾広の滝。 | 大岳山に向かう気持ちのいい山道。 | 大岳山荘。 | 大岳山から三つ峠です。頂上のアンテナ群が見えます。 | 丹沢の大山です。 |
丹沢主峰群は雲の中。 | 富士山です。手前は大室山(大群山)や御正体山。富士山の拡大はこちら。 | 大岳山からの江ノ島です。横浜のランドマークタワーや房総半島も見えました。 | 奥の院から西武ドームと狭山湖。右奥が都心です。西武ドームの拡大と都心の拡大はこちら。 | 長尾平から見る鍋割山(左)と奥の院(右)。 |
長尾平から見る日の出山(左)と愛宕山。遠くに都心が見えます。筑波山はこちら。 | 御岳神社。でも本当はこちらが本社? | 御岳山の上にある町。 | ケーブルカーの御岳山頂駅。 | 玉川屋の天ぷらそばと澤乃井本醸造。そばビールはこちら。 |
2009年10月記