環境ホルモン 人身を「攪乱」した物質 シリーズ地球と人間の環境を考える 西川洋三
日本評論社 ISBN4-535-04824-X 1,600円 2003年7月
目次
序章 寝耳に水の一大事
1章 マスコミ人の勇み足
2章 環境ホルモンとは何か
3章 多摩川のコイ
4章 鳥や魚に危機迫る?
5章 ヒトも危ない?
6章 大豆vsビスフェノールA
7章 まとめと展望
おわりに
あとがき
索引
このシリーズは、いわゆる環境問題を“斜めから見直す”というものであり、この本もそうした流れに沿っている。この本では、人工物質が環境ホルモン的な働きをするということに異議を唱え、まさに女性ホルモン(尿→下水→自然界)の方が影響が大きいということを力説する。
たしかに、感情的に環境ホルモンに対する危機を煽るだけでは、こうした本に足下をすくわれるだろう。本来の雌雄比、性比や、精子数などをきちんと把握して、慎重に検討しなくてはならない。
筆者は企業の側に立つ人であり、井口泰泉氏(「環境ホルモン」岩波科学ライブラリ63の著者)は大学の人である。こうした立場の違いが、データの取得・解釈に反映されているように思える。
シリーズ 地球と人間を考える
01 地球温暖化
02 ダイオキシン
03 酸性雨
04 環境ホルモン
05 エネルギー
06 リサイクル
2003年11月記