秩父事件

秩父事件 秩父事件研究顕彰協議会編 新日本出版社
ISBN4-406-03101-4 1,619円 2004年8月

目次
はじめに 今、なぜ秩父事件か
第1章 秩父事件とはどのような事件か
 第1節 動き出す農民集団
 第2節 自由党の動向
 第3節 秩父自由党による困民の組織化
 第4節 武装蜂起への道
 第5節 困民党蜂起
 第6節 信州への進出
 第7節 蜂起に呼応して
 第8節 「暴徒」とされた困民党
 第9節 異例ずくめの裁判
第2章 秩父事件はなぜ起きたか
 第1節 秩父の自然と風土
 第2節 民衆の政治力の高まり
 第3節 開講後の秩父と農民の成長
 第4節 明治初年の諸改革と秩父
 第5節 埼玉の自由民権運動
 第6節 秩父における思想的同行
 第7節 松方財政下の悲惨な農民生活
 第8節 明治14年の勅諭と支配体制の確立
第3章 秩父事件とその後
 第1節 逃亡とたたかい
 第2節 要求4項目のゆくえ
 第3節 事件後の秩父の農民生活
 第4節 権力中枢への影響
第4章 気楽に聞いて Q&A
 Q1「中心になったのはどういう人物だったのでか」
 Q2「困民党はどういう武器を持っていたのですか」
 Q3「困民党はどういう服装をしていたのですか」
 Q4「女たちはどうしていたのですか」
 Q5「困民党軍の兵士たちはどんな村から参加したのですか」
 Q6「どんな職業の人が参加していたのですか」
 Q7「駆り出しはどのように行われたのですか」
 Q8「困民党とたたかった軍隊について教えてください」
 Q9「戦死者はどのくらいだったのですか」
 Q10「取り調べはどのように行われていたのですか」
 Q11「どんな刑罰が科せられたのですか」
 Q12「当時の1円は今のどのくらいに当たりますか」
 Q13「事件の記録にはどのようなものがありますか」
 Q14「記念碑や顕彰碑はあるのですか」
あとがき
参考文献

 秩父事件を題材にした映画「草の乱」(井上伝蔵が主人公)の会場でこの本が売られていた。

 秩父事件には興味がある。しかし、長い間秩父事件関連の本を読んでいなかった。今の目からすれば、稚拙な行動に対する批判は簡単だ。しかし、なぜか彼らのその行動はそれ以上のものがある気がする。一人一人が輝いている。なんといっても、大野苗吉がオルグのときに叫んだという「お〜それながら、天長様に敵対するから加勢しろ」がいい。義侠心で行動する親分加藤織平、「革命軍」を名乗るインテリ井出為吉のバランスもいい。多くの幹部の若さとその立派さにも感嘆する。

 直接秩父事件とは関係がないが、この本にも載っている獄死した自由党の麒麟児村上泰治の亡骸に寄り添う妻ハンのりりしさ。

 時間の余裕ができたら、秩父事件の跡を訪ねてみたい。

 それにつけても「軍律5ケ条」はわかりやすい。
第1条 私に金円を略奪するものは斬
第2条 女色を犯すものは斬
第3条 酒宴をなしたるものは斬
第4条 私の遺恨を以て放火その他乱暴を為したるものは斬
第5条 指揮官の命令に違背し私に事を為したるものは斬

秩父困民党群像
秩父事件史
秩父事件
ガイドブック秩父事件
秩父事件(農民蜂起の背景と思想

2005年1月記

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