2009年5月10日、表丹沢を縦走してきました。表丹沢は30年くらい前に行って以来です。
前回下山途中でかなり暗くなってしまった記憶があるので、今回はできるだけ早く登山を開始しようと、自宅近くの駅を始発で出て、新宿経由で小田急秦野駅には6時53分に着きました。ヤビツ峠行きのバスの始発は7時35分です。もうかなりの人たちが待っています。このぶんなら増便も出るかもしれません。でも、バスだと50分ほどかかるし、おまけに出発まで30分以上待たなくてはならないので、タクシーを利用することにしました。
タクシーだとヤビツ峠まで30分弱、料金は4,310円でした(バスだと460円)。この道路は宮ヶ瀬湖まで続いています。かつてはヤビツ峠から先は本格的なダートの林道でしたが、いまはどうも全部が舗装されているようです。サイクリングの人たちも大勢やってきていました。ヤビツ峠には駐車場ときれいなトイレ、あと国民宿舎丹沢ホームの売店もあります。
身支度を整え、7時半ころに出発。富士見山莊までは20分ほどの車道歩きになります。富士見山荘の売店ではヤマビル対策用の食塩を売っていました。ご主人の話では、最近は表丹沢でも被害が出ている、前日もかなり被害者がいた(前々日が雨)ということでした。表丹沢なら大丈夫だろうと何もヒル対策をしてこなかったので、思わず食塩(30円)を買ってしまいました。その代わりサービス(?)として、高濃度食塩水を靴にかけてもらいました。ナメクジを同じで、ヒルに食塩(高濃度食塩水)をかけると浸透圧の関係でヒルが干からびるわけです。
ここから林道と別れて登山道になります。8時ころでした。1時間ほど頑張ると最初のピーク二ノ塔。振り返ると先日登った大山が近くに、また逆方向には少し霞んでいますが富士山もよく見えます。二ノ塔から尾根歩きになります。もう一がんばりで三ノ塔です。ここも展望がいい。なんといってもこの日の縦走路がすべて見えます。
三ノ塔から烏尾山の途中にはロープや鎖を垂らしているところもありますが、それほど困難なところはありません。次に目指すのは行者ヶ岳。道がオーバーユースで少し荒れたところもあり、またそうしたところには木道を敷設しているところもあります。行者ヶ岳を超えると鎖場や両側が崩壊してしまったため、木道でカバーしているところもあります。いずれもしっかり整備されているので不安感はありません。
さらに新大日岳茶屋(営業していなかった)を通過し、木ノ又大日(ここの小屋では氷水があった、400円)に到着。ここまでくれば塔ノ岳はもう一息。疲れ始めている上に、苦しい登りです。塔ノ岳頂上到着は11時40分でした。広い頂上の一角に座り込んで、久しぶりにおにぎりの昼食です。この日は日差しが強く、じっと座っていると肌がひりひりするほどでした。
頂上には立派な尊仏山荘もあります。食事を始めたら目の前に、大勢の登山者も恐れない若いシカが現れました。ヤマビル拡大の犯人の一人と目され、また木々の樹皮を食べるということでその害は深刻のようです。でも、見るだけなら可愛い。
食事を終えようとしたときに、「これから尊仏祭を始めますので、お時間のある方はご参加ください」という声。麓の東光院が遭難者の慰霊と登山安全を祈願するために1年に1回、この時期の開いているそうです。ちらちらとのぞいてみることにしました。結局終わったのが12時半ころ。参加したご褒美はお守り札です。
頂上を出発したのは12時40分。長い大倉尾根を降ります。途中の花立山荘でも氷水を売っていました。かなり強い誘惑ですが我慢しました。塔ノ岳から堀山の家までは塔ノ岳〜鍋割山と重複したコースです。さらに駒止茶屋、見晴茶屋を通過し、窯童克(陶芸家の窯)が出てくればもう終点も間近。一般道に出たのは15時、バス停までは10分もかかりません。
うまい具合に大倉15時10分発渋沢駅行きのバスに間に合い、さらに渋沢からは15時30分の急行新宿行きにも乗り継ぎができました。自宅には17時10分の到着。大倉から2時間でした。
この日の山歩きは休憩を入れて、出発から約7時間40分かかりました。アップダウンがきついところもあり、また下山に使った大倉尾根は長く単調でもあり、かなり疲れました。実際足の筋肉痛が翌日以降も残ってしまいました。キナバル山よりきつい?
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二ノ塔から大山を見ています。 | 伊勢原市方面は霞んでいます。 | 三ノ塔山頂です。9時10分ころ。 | 三ノ塔からの富士山。 | 三ノ塔からこの日の縦走路を見ます。手前から奥のピーク(塔ノ岳)への尾根が往路、そして左下に伸びているのが下山路の大倉尾根。 |
三ノ塔から烏尾山荘。 | 三ノ塔から塔ノ岳(尊仏山荘)。 | 行者ヶ岳の鎖場(1)。 | 行者ヶ岳の鎖場(2)。 | 崩壊した尾根に敷設された木道。 |
新大日手前で見たリンドウ。 | 塔ノ岳山頂(1,491m) | 山頂に現れたシカ。 | 尊仏祭。 | 丹沢の主峰、蛭ヶ岳(1,673m、左)と丹沢山(1,567m)。 |
頂上に設置されている本格的な日時計(シチズン社製)。 | 下山開始。大倉尾根を降ります。 | 頂上を振り返ります。 | 三ノ塔(右)からの縦走路。後ろは大山。 | 花立山荘から下を見ています。 |
2009年5月記