天動説と地動説

(1) 太陽の天球上の動き(観測)

  太陽は星座の間を縫って、天球上をつねに西から東へと動いて行き、1年で天球を一周する。

(2) 惑星の天球上の動き(観測)

 惑星も星座の間を縫って動くが、西から東に動いたり(太陽と同じ向きの動き=順行)、東から西に動いたりする(太陽と逆向きの動き=逆行)。

(3) プトレマイオス(天動説)による、天球上の太陽の動きの説明

 

(4) プトレマイオス(天動説)による惑星の動き(順行・逆行の説明)。

 周転円上を動く惑星が従円の外側では、従円上の周転円の中心の動きの向きと、周転円上の惑星の動きの向きが同じなので順行。周転円上を動く惑星が従円の内側では、従円上の周転円の中心の動きの向きと、周転円上の惑星の動きの向きがぎ逆なので逆行。

(5) コペルニクス・ケプラー(地動説)による、天球上の太陽の動きの説明

(6)−a コペルニクス・ケプラー(地動説)による、天球上の惑星の動きの説明(1)

 外惑星が合、内惑星が外合のときは、惑星は太陽と同じように西から東に動くように見えるので順行

(7) コペルニクス・ケプラー(地動説)による、天球上の惑星の動きの説明(2)

 地球と惑星が併走している(外惑星の衝の位置付近、内惑星の内合の位置付近)では、惑星は太陽に近いほど速く(太陽のまわりの回るときの角速度(※)が速い)動くので、地球は内惑星に追い抜かれ、外惑星を追い抜くことになる。このとき惑星は東から西に動いているように見える=逆行。

 より細かい金星(内惑星)の視運動についてはこちら、外惑星の視運動についてはこちらを参照。

(※) 太陽のまわりを回る角速度(公転周期)が短が内惑星ほど速い(公転周期が短い)ときでも、実際の公転軌道の速さは内惑星の方が遅いということもありうるが、ケプラーの第3法則から、惑星の公転軌道速度は太陽からの距離の平方根に反比例することになるので、実際の太陽系(惑星−衛星系、他の恒星の周りを回る惑星系)では公転軌道速度も太陽(惑星、他の恒星)に近いほと速い。

 

 

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