第一部−1− 宇宙の歴史

このページの目次
第3章 銀河と恒星の歴史(1)
1. 銀河の形成
a.銀河の分類
b.銀河の歴史
用語と補足説明
参考になるサイト

第3章 銀河と恒星の歴史

1. 銀河の形成

a. 銀河の分類

 ハッブルは銀河をその形によって、下のように分類した。彼はこれ(図の左から右へ)が銀河の進化をも表わしていると考えたようだが、今日ではそれは正しくないといわれている。どうも、銀河が誕生したときのもととなったガスの塊の回転の速さによって形が決まるらしい。だ円銀河は回転が速く一気に恒星ができ、渦巻き銀河はゆっくりとできたらしい。ただし、銀河団の中心にある巨大なだ円銀河は、小型の銀河を次から次へと吸収してできたらしい。銀河の衝突は珍しくないのである。


宇宙航空開発研究機構のスペースノート
http://spaceinfo.jaxa.jp/note/ginga/j/gin103_bunrui.html

 

b. 銀河の歴史

 ビッグバン直後の宇宙はものすごく均一であった。しかし、そこにもごくわずかの“ゆらぎ”が存在していることが確認された。こうした揺らぎが、物質の密度の揺らぎにつながり、これが恒星、そして銀河になっていくのだろう。しかし、現在のところこの宇宙の形成には二つの説がある。


欧州宇宙機関(esaの)宇宙探査機Planckによる、ビッグバン直後の宇宙の揺らぎ(宇宙背景放射)。上の画像をクリックすると大きな画像が見られる。
http://www.esa.int/spaceinimages/Images/2013/04/Planck_CMB_black_background

 一つの説は、まず銀河が生まれ、その中でも密度の高いところで銀河群や銀河団ができ、、さらにそれらの集まって超銀河団や宇宙という大規模構造ができたという説、ボトムアップ説である。。もう1つの説は逆に、まず大規模構造となる巨大なガスのかたまりができ、そこから超銀河団のもととなるかたまりが分かれ、さらに銀河団→銀河群→銀河と順に小さい構造が生まれていったという、トップダウン説である。

 現在のところ、この宇宙にはダークマター、ダークエネルギーというものがあり、それが鍵を握っていると考えられている。ダークマター、ダークエネルギーの正体は全くわかっていないが、3宇宙背景マイクロ波放射の95%の原因であると考えられている(残りの5%がふつうの物質による)。このダークマターは銀河(もちろん我々の太陽が属する銀河系も)の運動からも確実に存在していることはわかっている。そしてこのダークマターが銀河がその形・運動を保っている上で重要な役割を果たしているらしい。

 このダークマターはどうもそれほど動き回らない(速度が遅い)“冷たい”ものだと思われるようになってきた(反対が高速で飛び回る“熱い”ダークマター、高速で飛び回る素粒子の代表がニュートリノ)。冷たいダークマターは広い範囲を動き回れないので、宇宙の初期のゆらぎが解消できず(高速で動き回っていたら小さな領域の揺らぎは解消されて、大きな領域の揺らぎだけが残る)、その小さな領域の構造が小さな天体から大きな天体へとボトムアップで進んできたと考えられるようになってきた。

 もっとも肝心のダークマター、ダークエネルギーの正体はわかっていない。しかし、宇宙を構成する成分のうち7割以上が宇宙の膨張を加速させるダークエネルギー、また2割以上が正体不明の質量(物質)ダークマターであり、身近な元素(ふつうの物質)は4%程度しかないという。そしてこのダークマターの分布の“ゆらぎ”がダークマターの網の目状の構造をつくり、それをなぞるようにして銀河が誕生してきたという。このあたりは国立天文台の「宇宙はどのように生まれてきたのか」を参照。


欧州宇宙機関(esaの)宇宙探査機Planckによる、宇宙に占めるダークマター、ダークエネルギーの割合(右)。
http://arstechnica.com/science/2013/03/first-planck-results-the-universe-is-still-weird-and-interesting/

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用語と補足説明

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参考になるサイト

宇宙航空研究開発機構の「オンライン・スペースノート」:http://spaceinfo.jaxa.jp/note/note_j.html

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