第13章 年代測定法(4)
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3. | 地球の年齢 |
用語と補足説明 | |
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3.地球の年齢
地球の年齢はどのようにして求められたのだろう。地球上のさまざまな地点からウラン(U)濃度に差が出た、つまり娘元素の鉛(Pb)の蓄積量に差が出たサンプルを集める。例えばA地点から、Pbが多く蓄積したA1とPbがあまり蓄積しなかったA2というデータを得て、それを過去にさかのぼって交点Aを求める。こうしたことを、B地点のデータ、C地点のデータで行って、同じように交点B、Cを求める。これらの交点A、B、Cをなめらかに結んだ曲線は、もしU濃度に差が出なかったとした場合、娘元素のPbがたまっていくはずの曲線である。この曲線の延長上のどこかが出発点であるはずである。だだ、地球が最初に持っていた娘元素のPbの量(初期値)がわからなくては、地球の年齢を求めることができない。
そこで使われるのが、いん石(いん鉄)のデータである。いん鉄の中にはUがほとんど入っていない。そこで、いん鉄の中に含まれる娘元素のPbはUが壊変してできたものはほとんどなく、いん鉄ができたときに初めから持っていたものと考えられる。このデータを借用する。つまりここでは、太陽系は同じ材料からできたので、地球もいん石(隕石)も同じ材料からできた。そして、地球のマントルはそのうちの石質いん石のような物質、核はいん鉄のような物質と同じだろうと考えている。このことはこちらを参照。
そこで地球の核とマントルが分離したとき、核(鉄)にはウランが(ほとんど)取り込まれないので、核に含まれる娘元素の鉛(Pbは核とマントルの分離が起きた初めから核に含まれていたものだろう。もちろん核の中のPbの量を知ることはできないが、ここでいん鉄のPb量を借りるのである。つまりいん鉄中のPbの量を初期値とするのである。こうして求めた地球の年齢は約45〜46億年であり、その意味は地球の核とマントルが分離したときからの年代ということになる。
太陽系は同じ材料からできた、つまりマントル=石質いん石、核=いん鉄は合理的(積極的に否定する理由が見つからない)な仮定であるし、核とマントルの分離も地球誕生のごく初期の段階に起きたと考えられているので、この45〜46億年という地球の年齢は広く受け入れられている。
用語と補足説明
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名古屋大学年代測定総合研究センター:http://www.nendai.nagoya-u.ac.jp/ja/graph.html