第二部−2− 地球の科学

第1章 地震

. 地震とは何か

目次
a. 地震とは何か(弾性反発説)
b. 初動分布の規則性と地震を起こす力
c. 力と断層
d. 地震を起こす力の源
用語と補足説明

a.地震とは何か(弾性反発説)

 1906年にアメリカ西部サンフランシスコ近辺で起きた大地震、とくにその前後の地殻変動を研究したリード(H.F.Reid、1859〜1944)は、地震の原因説として「弾性反発説」を唱えた。その考えは単純で、下図のように断層(図の点線)をはさんで接している両側の岩盤を考える(a)。断層に力が加わり断層がずれ動くことによって、断層のところを境にして岩盤が歪(ひず)んでくる(b)。その歪みが岩石の耐えうる限界を超えると岩石は破壊され(c)、その衝撃が地震波として伝わる。これが弾性反発説であり、今日では地震学者の合意を得ているものである。地震が起きた瞬間、A点、B点、C点、D点は下図のように動く。A点とD点は断層(震源)の方に引っ張られ、B点とC点は震源から押されるように動くことに注意。

地震調査研究推進本部:http://jishin.go.jp/main/pamphlet/wakaru_qa/wakaru_qa.pdf

 地震の原因となった断層を震源断層といい、それが直接、あるいはそこから派生した断層が地表に現れたものを地表地震断層という。1995年の兵庫県南部地震においては、震源断層である野島断層が地表にも顔を出した。こうして考えると「震源」は点でなく、広がりを持った面であることがわかる。だから、震源とはある広がりを持っていてそれを震源域という。いわゆる「震源」は地下で破壊が始まった場所ということになる。1.地震の観測のc.震源と震央参照。

震源断層と地表地震断層:地震調査研究推進本部
http://www.jishin.go.jp/main/pamphlet/wakaru_qa/wakaru_qa5.pdf
地表に現れた野島断層:地震調査研究推進本部
http://www.hp1039.jishin.go.jp/eqchr/f7-16.htm
破壊域の拡大とずれ(地震調査研究推進本部:http://www.hp1039.jishin.go.jp/eqchr/f2-9.htm

 

 地震の原因となりそうな断層(動く可能性のある断層)を活断層という。日本列島にはたくさんの活断層がある。活断層があればもちろん危険だが、活断層が見つかっていないといっても、正確には見つかっていないだけということもあり得るので、安心であるとは断言できない。

 なお、断層といってもガタッと急激に動くのではなく、ヌラヌラっと動くタイプや、地震を起こさずにゆっくりと動くものもある。前者は激しいゆれは起こさないが、海底で起こると大きな津波を発生させる危険性が大きい(1896年三陸地震津波参照)。後者はスロースリップとか、サイレント・アースクェイクなどと呼ばれている。現在(2001年以降)、東海地方で大きな地殻変動が観測されているが、スロースリップ(サイレント・アースクェイク)の可能性が高いといわれている(大地震の前兆の可能性であることも否定できない)。東海地方の地殻変動については国土地理院のサイトを参照。

 最近はアスペリティという言葉をよく聞くようになった。アスペリティとは「通常は強く固着していて、あるとき急激にずれて地震波を出すところ」という部分である。詳しくはこちらを参照

 また他に、断層運動とは直接には関係のない火山性の地震(地下でマグマが動くために発生)もあるが、このタイプの地震のマグニチュードはそれほど大きくない(被害が出る可能性は低い)。

 2011年3月11日に起きた東北地方太平沖地震(Mw9.0)は、太平洋プレートと北米プレート(オホーツクプレート)の境界で生じた低角逆断層が震源断層と考えられている。このことについてはこちらを参照

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b.初動分布の規則性と地震を起こす力

 日本ではどちらかというと、地震は複雑な現象なのだからまずきちんと観測することが大事である、あるいは「断層は地震の結果生ずる」という考え方が主流であった。

 そうして1900年代の初めころ、大森房吉や志田順らによって、まずP波の初動(地震がやってきたとき、地面が最初にどの向きに動くか)には規則性があるということが見いだされた。例えば、1931年の西埼玉地震では下図のようにきれいに4象限に別れている。すなわち、第1、第3象限(震源の北東側と南西側)では、地震のときに地面はまず震源の方に引かれ、第2、第4象限(震源の北西側と南東側)は震源から押されるように動いている。これはa.弾性反発説の下の図と調和的である(象限は逆)。このようなことが多くの地震についていえることがわかってきた。

1931年西埼玉地震のさいのP波の初動分布:防災科学技術研究所
http://www.k-net.bosai.go.jp/k-net/gk/publication/Sect-1/Fig4.3.1-1.JPG

 S波はP波で地面がゆれているうちに来る波なので、その初動は大変に読みとりにくい。日本は地震が多い国であるという「利点」を生かして、S波の初動分布も調べられた。その結果、S波の初動分布にも規則性があることがわかった。

 P波・S波の初動分布の模式図が下図である。真ん中が震源で、その震源からの距離が一定である地点(例えば震央から100kmの円周上の地点)で、初動の向きと大きさを調べてみる。下図では第1、第3象限がP波の初動の押しの領域である。P波は波の進行方向と振動方向が一致しているので、初動の動きは震源から押されるように動くか、震源に引かれるように動くかしかないが、この領域では、最初の動き(初動)は震源から押されるように動いた(つぎの瞬間には震源に引かれるように動く)ということを示している。第2、第4象限は逆に、まず最初の震源の方に引かれるように動いている。また、ゆれ幅(振幅)も見てみると、図の45°の方向で最大のゆれ幅になり、0°の方向で小さい(理想的な状態では0)、これが90°の周期で繰り返されている。

 S波は波の進行方向と振動方向が垂直なので、この平面では円の接線方向にゆれ動く波である。この図の上の地点では初動はまず右に動いている。下の地点では左、右の地点では上、左の地点では下に動いたことを示す。ゆれ幅までを見てみると、P波で0のところで最大のゆれ、P波の最大のところで最小(0)になっていることもわかる。

 なお、こうした初動分布から震源に加わっていた力、すなわち地震を起こした力の向きも分かる。粗密波であるP波からは地震を起こした圧縮力(押す力)・張力(引っぱりの力)がわかり、ねじれ波であるS波からは地震を起こしたねじれの力、すなわちモーメント(偶力)がわかる。上図の震源に書き込んでいる矢印がそれぞれの向きを示す。

 このように、地震ときの初動分布をたくさんの観測点で調べると、地震を起こした力の向きがわかることになる。

 この圧縮力・張力(図左)と二対の偶力(ダブルカップル・モーメント)が同じ(等価)であることは簡単に分かる。すなわちA、Cの圧縮とB、Dの張力(下右)を、それぞれ、a1とa2、b1とb2、c1とc2、d1とd2のように分解し(下中)、a1+d1、b1+c1、a2+b2、c2+d2と合成すれば、二対の偶力になる。なお、力の分解と合成についてはこちらを参照

 つまり、圧縮力・張力は二対の偶力(ダブルカップル・モーメント)と同じであり、これはすなわち断層運動と二対の偶力(ダブルカップル・モーメント)が等価であること示している。このことをきちんと物理学的に示したのは、丸山卓男で1963年のことであった。それまでは、欧米の地震学者は(何となく)地震を起こす力は一対の偶力(シングルカップル・モーメント)と思いこんでいたのである。結果的には「コロンブスの卵」のように簡単なことではあるが、半世紀もの間日本と欧米の地震学者は、このようなことで対立していたのである。

 結果的には、欧米の地震学者達は地震の原因が断層であることを見抜いていたが、地震を起こす力については正しくつかんではおらず、日本の地震学者たちは地震を起こす力は正しく理解していたが、地震と断層の関係については正しくつかんでいなかったことになる。

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c.力と断層

 岩石に力を加えて、どのように岩石が壊れるかを調べてみる。下図のように、上下に圧縮力、左右に張力を加える。すると、岩石は力に対して斜めの方向に割れ目ができ、全体として圧縮力が加わった方向に長さが縮み、張力が加わった方向に長さが伸びるように岩石が壊れることが分かる。つまり、断層は力に対して斜めに生じるが、下図の左の二つの向きのどちらができるかまでは分からない。そもそも左二つの図は、鏡に映った関係、あるいは画面の表裏から見た関係になっているだけで、本質的な差はない。

 このように同じ力でできる向きの違う断層を共役断層という。日本列島中央部にはたくさんの共役断層が走っている。

 つまり、地震のP波やS波の初動分布から地震を起こした力の向きは決まる。また、断層の向きと動きが分かればその断層を動かした力の向きが分かる。しかし、力の向きが分かっても、それによってできる断層の向きと動きは、共役断層のうちのどちらかということしかわからないという関係になっている。

 ただし現在では、初動だけでなく、観測したP波やS波、さらには表面波の全体を使うことによって、地震の原因になった断層の向きと大きさ、ずれの量などが、地震のデータだけからでもわかるようになっている。なお、断層のタイプとその原因となった力についてはこちらを参照。また、初動分布から断層つくった力(地震を起こした力、断層のタイプ)をどう求めるのかについてはこちらを参照

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d.地震を起こす力の源

 では、何が断層を動かしているのだろう。今日ではそれはプレートの動きが一番重要であろうと考えれている。地球の表面は厚さ100kmほどの何枚かの堅いプレートに覆われている。そのプレートの境界では、お互いに押し合ったり、すれ違ったり、あるいは離れていくという動きをしている。その境界で地震などを起こすのである。こうした考えをプレートテクトニクスという。なお、プレートテクトニクスについてはこちらを参照

 例えば日本付近では、プレートに押された地殻内部で破壊(断層)が起きて地震を起こす(下右図1)、プレートの境界で地震を起こす(下右図2・4)、プレートの内部が破壊して地震を起こす(下右図3・5)というタイプのものがあることがわかっている。

日本付近のプレートの境界:防災科学技術研究所
http://www.hinet.bosai.go.jp/about_earthquake/PNG/fig4.9.png
地震の原因:防災科学技術研究所
http://www.hinet.bosai.go.jp/about_earthquake/PNG/fig4.Bb.png

 これをさらに模式化すれば下図のようになる。海溝型と呼ばれる地震は、大規模な逆断層タイプであり、100年〜200年ほどの間隔で、マグニチュード8クラスの地震を起こす。内陸型といわれる地震は間接的に歪みを蓄えていくので、海溝型ほど頻繁には起こらず、活発な活断層(横ずれ断層か逆断層が多い)でも1000年程度、それほど活発でないものは数万年の間隔でガタッと動き地震を起こすといわれている。マグニチュードもふつうは7程度までといわれている(ただし、1891年の濃尾地震のようにマグニチュード8のものもある)。


海溝型地震(プレート境界型の逆断層型やプレート内部の正断層型など)と内陸型地震(横ずれ断層型や逆断層型
気象庁札幌管区気象台:http://www.jma-net.go.jp/sapporo/bousaikyouiku/mamechishiki/jikazanknowledge/jikazanknowledge1_3.html

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用語と補足説明

アスペリティプレートの境界で、なめらかにすべっていかずに固着している部分。地震のときに一気にずれ動く。アスペリティのまわり(安定すべり域)は地震を起こさずにふだんからズルズル動いていると思われている。

アスペリティの概念図(日本地震学会Web版広報誌「なゐふる第33号」(2002年9月);
http://www.zisin.jp/pdf/nf-vol33.pdf
東北地方のアスペリティ(東北大学:長谷川昭氏):(2006年1月現在リンク先が見あたりません)
http://www.disaster.archi.tohoku.ac.jp/koukaikoza/Koukai1/Koukaipdf/hasegawa.pdf

日本の活断層日本列島には、下図のようにたくさんの活断層が見つかっている。とくに中部地方から紀伊半島にかけて多く分布していることがわかる。だが、一見関東地方は少ないようだが、これは関東平野は厚い堆積物が岩盤の上に堆積していて活断層がなかなか確認できないためであり、活断層がないというわけではない。


日本列島の活断層:地震調査研究推進本部
http://www.jishin.go.jp/main/mech/figures/f1-9.gif(2008年11月16日現在つながりません)


活断層による地形の食い違いがわかることがある。
地震調査研究推進本部:http://www.hp1039.jishin.go.jp/eqchr/figures/f2-21.jpg

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関東平野の地下関東平野の地下の断層も見えるようになってきた。ただし、これらが活断層であるかどうか、活断層だとしたらどの程度活発なものかについてはわかっていない。

関東平野の地下構造は、日本海拡大(A)にともなってできた断層(B1)と、さらにそれによって地溝ができた(B2)。その地溝(半地溝)を埋めた地層(C3、C4)、その上に1500万年前以降に堆積したC2、300万年前以降に堆積したC1が積み重なるという3段重ね状態になっている。
日本地震学会Web版広報誌「なゐふる」63号(2007年9月)
http://www.zisin.jp/pdf/nf-vol63.pdf

もっと深いところでは、フィリピン海プレート(矢印で示されている)が北に向かって潜り込んでいる様子がとらえられいる。
日本地震学会Web版広報誌「なゐふる」51号(2005年9月)
http://www.zisin.jp/pdf/nf-vol51.pdf

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日本列島中央部の共役断層北西−南東方向、北東-南西方向に直線上の構造(筋)がたくさん見える。例えば、中央のちょっと右の白い山(御嶽山)の左下、さらにその左側などに北西−南東方向の筋が見えるが、これは阿寺断層、根尾谷断層である。また、富山湾の下で山岳地帯(赤に着色)に入ったあたりには北東-南西方向に筋が見えるが、これは跡津川断層である。これらの共役断層の向きから、日本列島の中央部には東西方向に圧縮力、南北方向に張力が加わっていることが分かる。

日本列島の中央部を走る断層群:Landsat7画像(2001年5月17日撮影)
JAXA地球観測情報システム:https://www.eoc.jaxa.jp/iss/jp/index.htmlからゲストユーザとしてログインする。
https://www.eoc.jaxa.jp/iss_public/image_catalogue/20060219_00110720010517109035.jpg

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断層の種類:と力の関係断層には大きく分けて下の4つのタイプがある。実際には、縦ずれ断層と横ずれ断層が組み合わさって斜めに動いている場合が多い。いずれにしても、本文に書いたように圧縮力が加わった方向に長さが縮み、張力が加わった方向に長さが伸びるようにずれ動く。断層についてはこちらも参照

断層の4タイプ(地震調査研究推進本部:http://www.hp1039.jishin.go.jp/eqchr/af1-4.htm

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2011年3月11日東北地方太平洋沖地震:この地震は、北米プレート(オホーツクプレート)に潜り込む太平洋プレートとの境界で起きた。この断層は低角逆断層(衝上断層)で、断層の長さは400km〜500km、幅は200km程度、最大のずれは20mと推定されている。下は国土地理院による震源断層の推定である。2つの大きな断層が連続して生じたと考えている。

 気象庁「平成23年(2011年)東北地方太平洋沖地震」について第28報(2011年3月25日)では、Mw9.0、断層の長さ450km、幅200km、最大のずれ20m〜30m、破壊の継続時間約3分(主たる破壊は3回)としている。http://www.jma.go.jp/jma/press/1103/25b/201103251730.html

国土地理院による断層モデル。陸上で最大4m太平洋側に移動し、最大70cm沈下している。http://www.gsi.go.jp/cais/topic110313-index.html
気象庁「平成23年(2011年)東北地方太平洋沖地震」について第28報(2011年3月25日)、(1)(2)(3)の順に破壊が進行した。色が付いた部分が震源断層面。
http://www.jma.go.jp/jma/press/1103/25b/201103251730.html
この地震の震源断層の模式図。 日本付近プレート境界(財団法人全国地質調査業界連合会)
http://www.zenchiren.or.jp/tikei/index.htm

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アウターライズ地震2011年3月11日の東北地方太平洋沖地震は無数の余震を引き起こしている。その一つ、2012年12月7日に三陸沖で起きた地震(M7.3)はアウターライズ地震ではないかといわれている。アウターライズ地震とは、沈み込むプレトの折れ曲がった上の部分には曲げによる張力がはたらくため(地形的に少し盛り上がっている場所)、プレートがポキッと折れる(正断層が生ずる)ことによって発生する地震である。この地震では大津波は発生していないが、アウターライズ地震は海底が大きくずれ動くために、大規模な津波が発生する可能性が高い地震である。1933年に東北地方の巨大津波を起こした地震も、1986年の地震の余震でアウターライズ地震であったともいわれる。逆アウターライズ地震とも考えられる2015年5月30日の地震についてはこちら

日経新聞(2012年12月8日):http://www.nikkei.com/article/DGXDASDG07061_X01C12A2EA2000/ 東大地震研(サモアの地震):http://www.eri.u-tokyo.ac.jp/topics/200909_Samoa/

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初動分布と地震を起こした力・断層の関係下左図の上のような左ずれ断層が地震を起こしたときのP波の初動は、北東(第1象限)と南西(大3象限)は「押し」(まず震源から押される向きに動く)、北西(第2象限)と南東(第4象限)は「引き」(まず震源に引っ張られるように動く)。こうした初動分布を立体的に見ると、左図の下のようになる。初動分布からは押し・引きをわける面が2枚できるが(図では断層面と補助面としている)、P波の初動分布だけは本当は土地下が断層面かを決めることはできない。しかし、押しの領域(図の青)の中心が張力(引っ張りの力)の軸(T軸)、引きの領域(図の白)の中心が圧縮力の軸(P軸)であることはわかる。

 つまり、下右図のような初動分布(青が引き・白が押し)が得られたら、それぞれの中心が張力の軸(張力の軸が立っていたら正断層)・圧縮力の軸(圧縮力の軸が立っていたら逆断層)だということがわかり、それから断層が正断層か(向きは2通り)、逆断層か(向きは2通り)、横ずれ断層か(圧縮力・張力軸が寝ている、あるいは数学のグラフのような4象限に押し・引きが分布していれば右ずれか左ずれか)がわかり、その断層の向きも2通りに限定されていく。

 

日本地震学会Web版「なゐふる」第60号(2007年3月)。
http://wwwsoc.nii.ac.jp/ssj/publications/NAIFURU/vol60/index.html

シングルカップル・モーメント当時の欧米の地震学者たちは、断層をつくるのはシングルカップル・モーメントで、それによるP波・S波の初動分布は下のようだと考えていた。今から考えると、シングルカップル・モーメントでは「回転」になってしまい、断層はつくれないことは簡単にわかる。だが、そういう先入観で初動を観測すると、下のようになってしまうのだ。P波の初動分布はダブルカップル・モーメントの場合と同じだが、S波の初動分布が異なる。一時は、日本の地震のS波の初動分布は、そんなに日本に学者がいうならそれは正しいだろう、でもそれは日本の地震は特殊な地震だからだとまでいわれていた。

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プレートテクトニクス地球の表面は、十数枚の堅いプレート(厚さ70km〜100km程度)に覆われている。そしてそのプレートが同士が相互に移動することによって、その境界で地震や火山など活発な地質活動が起こるという考え。地震の震源の分布がプレートの境界に対応している。詳しくはプレートテクトニクスの章を参照。


地球上のプレートとその動き:地震調査研究推進本部
http://www.jishin.go.jp/main/pamphlet/wakaru_shiryo/wakaru_shiryo4.pdf

太平洋プレートの概念図:地震調査研究推進本部
http://www.jishin.go.jp/main/pamphlet/wakaru_shiryo/wakaru_shiryo4.pdf

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