地球システムを科学する

地球システムを科学する 伊勢武史 ベレ出版
ISBN978-4-86064-376-8 1,700円+税 2013年12月

まえがき
第1章 地球システムって何?
第2章 地球システム科学の始まり システム思考で惑星を眺めるという革新
第3章 地球の温度の「立地条件」
第4章 生命の誕生 ありそうもないことが起こった不思議
第5章 微生物を光合成の引き起こし
第6章 地球システムの歴史
第7章 温暖化と地球システム
第8章 目からウロコの科学的な視点
第9章 温暖化ってほんとうなの? ウソなの? 「地球温暖化懐疑論」を考える
第10章 地球システム科学で問題の本質を見極める
参考文献
あとがき 私が研究者になったのは
謝辞

 地球をシステムとして捉える(縫い目のない地球観)は筆者の独創ではなく、すでに1960年代(半世紀も前!)に島津康男によって実践されている。まずここに違和感を覚える。これについては、この本この本の書評を参照。地球(宇宙−地球−生命−人類社会)をシームレスに捉える(システム的に考える)という当たり前の考えが、研究者の間で継承されていないこと、またなかなか定着していないことは本当に不思議なことだと思う。

 まあ、そうした前提をないものとすればいい本だと思う。ラブロックのガイア説に対するコメントはそうだと思う。地球温暖化については、それが引き起こすだろう事象を含めて、まだ未解明のことが多いと思う。自然に対しては恒に謙虚な態度必要だと思ってる。それが2011.3.11の出来事の教訓ではないか。

 他の科学解説本よりも、筆者の経歴・思いが前面に出る書き方をしているのも特徴かもしれない。

2014年3月記

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