2006年8月9日(水)〜10日(木)、戸隠の高妻山に行ってきました。
東京は台風の影響で、雨模様の日が続いていました。しかし、長野県の方は大丈夫のようです。そこでほんとうに久しぶりに北アルプスを目指すことにしました。目標は蝶が岳〜常念岳です。9日の昼ころ自宅を出発。三股の駐車場に車を入れるつもりでした。ところが烏川林道が7月18日〜19日の豪雨のため崩壊、通行止めになっていまた。残念。「ほりでーゆー」から引き返します。
このまま帰るのも何なので、急遽高妻山を目指すことにしました。だいぶ前、長野ICからとても立派に見えたので、いつかは登ろうと思っていたし、じつは2年ほど前、実際に目指しもしたのですが、このときは朝からかなりの雨で断念しました。戸隠牧場を目的地に、するとカーナビは信濃ICを指示します。いつもは長野市側のバードラインから戸隠に入っていたのですが、逆から入ることになります。たしかに長野市内の渋滞を避けられるので早いか。でも高い?
結局17時ころに牧場前の登山者用(観光客も可)の駐車場に車を入れます。どうも、もう1台夜を明かそうとしている車があるので、それからできるだけ離れたところにしました。ビールを飲み、カップ麺(かき揚げうどん)の夕食。19時ころ就寝。
翌10日は、2時半ころからうつらうつら状態だったのですが、どうもシュラフから出る気にならず、結局4時ころまでうだうだしていました。意を決して起き出しました。快晴です。おにぎりの朝食。この日は長丁場ですからしっかり栄養補給(おにぎり三つ)。
身支度を整え、5時過ぎに牧場に入ります。入り口で登山届けを提出。ところが、牧場の端あたりにテントが張ってあり、ここには常駐の登山指導員がいて、ここでもう一度登山届けを出すことに。コースの概略の説明をしてもらえました。じつは急遽予定を変更したので、高妻山の地図を持ってきていなかったのでした。一本道だからいいかと。でもここで、略図をもらえました(デジカメで登山道入り口の地図の写真も撮っておきました、デジカメはこういうときも便利です)。
ここを5時20分ころ出発。少し行くと牧場の境界があり、ここから登山道になります。だんだん道が急になります。滑滝の右横を、垂らしてある鎖を頼りに直登します。ついで、もう一つ岩場、最初はトラバース(ステップが切ってあり、短い鎖が何本もたらしてある)、最後に少し直登。ここから少し行くと、このコース唯一の水場、氷清水です。案内板に地図と位置が違うと説明がありますが、実際水を得られるのはその場所よりさらにもう少し下です。
さらに頑張って少し行くと、一不動の避難小屋です。7時ころになっていました。ここは戸隠の八方覗との分岐にもなっています。少し休んで五地蔵岳を目指します。所々やせ尾根。下の牧場がよく見えるところがあります。両側は草や木が生えているからいいけど、これがなければ怖いでしょう。
途中二釈迦、三文殊、四普賢を通過して、五地蔵岳(1998m)は8時30分。この手前がきつい。五地蔵岳は広い頂上ですが、まわりの背の高い笹のために展望はききません。小休止。スパッツを外したり、ストックを出したりします。珍しく忘れずに持ってきた偏光フィルターをカメラのレンズに付けます。
出発して少し行くと「五地蔵岳頂上」という矢印。ここも登ってみました。こちらには祠も看板もありません。でも、妙高−火打などがよく見えます。さらに少し行くと北アルプスがよく見えるところもあります。以後六弥勒、七観音、八薬師、九勢至、十阿弥陀といくつものピークを登下降します。きつい。とくに十阿弥陀前が滑りやすい急登。でも、十阿弥陀まで行くと、高妻山はあとわずか。
高妻山(2353m)は10時20分ころでした。残念ながら少しガスが出てきて、北西の雨飾−妙高方面や南の戸隠方面は見えなくなってきました。少し空気の透明度も下がってきました。でもまだ北アルプスは見えます。大休止にして、昼食のパン+ココアを摂ります。結構疲れました。でも引き返さなくてはなりません。10時55分ころ出発。
帰りはやはりきつい。ともかくアップダウンが多い。だいぶガスも出てきて、少し巻かれるときもあります。五地蔵岳に戻ったのは、12時55分。登りより時間がかかってしまった。少し休憩。この時間に登ってきた人がいました。一不動は13時50分。ここでも休憩。スパッツを着けます。
1.5Lの水(500mLのペットボトル3本)を持ってきたのですが、すっかり飲んでしまっていました。でも喉がが乾いていたので、氷清水で水をたくさん飲みました。さらにペットボトル全部に水を汲みます。岩場を通過し、しばらく行くと道の傾斜はだんだん緩くなります。登山届けを出した登山相談所には15時20分ころに戻りました。正味10時間。疲れました。でも一応懸案事項を解消したことになります。
牧場の施設の水道で頭や手を洗い、駐車場に戻りました。牧場脇のおみやげやさん兼喫茶・軽食やさんで、天ぷら蕎麦食べ、夕食とします。車なので、ビールが飲めないのが悲しい。
帰りも信濃ICから上信越道に乗り、関越道経由で帰宅しました。高速に乗ったころは、練馬IC付近で大渋滞、通過に120分という情報でしたが、途中で少し休んだりしながらのんびり行ったら、渋滞は解消されていました。帰宅は22時ころでした。
参考:登山道入り口にもらったパンフレット(戸隠地区山岳遭難防止対策協会)による「戸隠連峰の特徴」
戸隠連峰 | 北アなど多くの山々 | |
心構え | 2,000m級だから甘く見る。しかし極めて特異で危険な山である。 | 3,000m級だから真剣に取り組む。困難だが普通の山である。 |
地質 | 凝灰角れき岩:風化や崩壊が激しく、手がかりや足場にした岩が抜ける。岩場にとりつく前、靴底に泥がつまり滑りやすくなる。 | ひん岩、花こう岩など:比較的しっかりしていて、靴底のフリクションもきく。泥や土の部分がすくなく滑りづらい。鎖や針金もしっかり固定されている。 |
事故 | 墜落。従ってほとんど即死 | 転落、滑落。軽症、重症で助かることも多い。 |
産業技術総合研究所地質調査総合センターの高妻山の解説はこちら。
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戸隠牧場入り口から戸隠山を望みます。 | 不動滝の左側にトラバース路が見えます。最後に滝の手前脇を直登します。 | 妙高です。 | 五地蔵の少し先から北アルプス五竜。 | 鹿島槍。 |
十阿弥陀付近から槍・穂高連峰。 | 白馬や朝日・雪倉方面。 | 頂上で記念写真。 | 戻る途中。十阿弥陀先から登山道を見ます。左側をよく見ると登山者2名が見えます。 | 八薬師付近から高妻山を振り返りました。 |
2006年8月記