2017年9月20日〜21日、雲取山に行ってきました。その後、鳩ノ巣渓谷で1泊しました。
2003年8月29日(金)〜30日(土)はこちら、2007年5月7日(月)〜8日(火)はこちら。
(1) 1日目
朝、3時半ころに自宅を出発。中央道、圏央道経由、日の出ICで降りて滝山街道、吉野街道、青梅街道伝いに目的地(雲取山登山者用駐車場)を目指します。目的地に近い、浮き橋(かつてのドラム缶橋、今はプラスチック製のフロートの浮き橋)がある留浦(とずら)の駐車場(トイレあり)に車を入れます。ここで、目的地を地図で最終確認。次の橋を渡った直後に右に入るといいようです。
橋を渡ったところ(看板:道の駅たばやまと丹波山村鴨沢の看板がある)を右折します。ほんの少しいくと、駐車場への道の分岐があります。ただ、Uターン気味に曲がらないとなりません。この道も、入るべき道(とくに入り口)も狭いので、Uターン気味に曲がるのは難しいほどです。なので、そのまままっすぐに行って、Uターンできる場所を探します。
少し行くとUターンできそうな場所があったので、その場所を借りてUターン、来た道を戻ります。こちら側からならそのまま入れる感じです。この向きには、鴨沢のバス停(隣のトイレ)脇の道から入ればいいので、小回りのきかない車の場合、鴨沢バス停横から入った方がいいと思います。
駐車場には6時前に到着、すでに10台ほどの車が駐車しています。ここは丹波山村村営の登山者用無料駐車場(小袖乗り越しの駐車場)です。上で泊まった人の車もあると思います。駐車場はかなり広い(約60台)、でも人気の山なのでシーズンだとすぐにいっぱいになりそうです。雲取山駐車場には水洗トイレもあります。鴨沢からここまで歩くと約30分、標高差200m(駐車場は730m程度)になります。
身支度を調えて、6時過ぎに出発します。少し林道を上ったところに雲取山登山道入り口があります。入り口には「雲取山YEAR」大きな看板。そう、標高2017mの雲取山は、西暦2017年、つまり今年の山なのです。
登山道に入ったあとは、それほどの急坂のない山道をだらだらとひたすら登ります。この道は伝説と創作民話を元にした「平将門迷走ルート」(!)だそうで、いくつか(全部で10)のポイントごとにその説明看板が立っているので、これを目印と楽しみに登るという感じです。
富士山も見えだしたら、あとひとがんばりで水が豊富な七ツ石小屋(管理人常駐、自炊)に着きます。この奥のスペースにはベンチもあるので一休みします。新しくバイオトイレもできたようです。ここからは富士山がきれいに見えます。
小屋から出てすぐのところに、小屋の水源&水場があり、ここが巻き道(中段)との分岐にもなっています。とりあえずそのまま七ツ石山に向かいます。ここはかなりの急登です。途中で将門に絡んだ七ツ石伝説の説明版もあります。ここまでくれば、頂上も近い。七ツ石山の頂上は広いスペースになっていて、石造りの立派な標識(1757.3m)が建っていました。ここでも大休止。行動食(パン&チーズ)を食べます。雲取山(避難小屋)や富士山を見るためには、広い頂上の中で見やすい場所に移動します。
頂上からは巻き道との合流地点まで急降下します。その後も、尾根道なので若干の上り下りはあります。やがて五十人平のへりポートやテント場、そして奥多摩小屋(管理人常駐・自炊)へ。ここの小屋前のベンチでまた大休止。富士山を見ながら行動食を食べます。
次のピークは巻き道を利用して避けました。巻き道は原生林の中を歩きます。尾根道を合流するとまもなく富田新道の分岐。さらに尾根を登ります。小雲取はどこだかよくわかないピークですが、ここも富田新道との合流点になっているようです、
この日は雲取山には登らずに、巻き道を利用して雲取山荘に行こうかと思っていましたが、眼前に雲取の避難小屋が見えるので登ることにしました。それほどの急登もなく避難小屋に到着、12時ちょうどくらいでした。本当の頂上はもう少し行ったところですが、ここからは東から南西の展望がすばらしい。少し休んで展望を楽しみます。残念ながら七ツ石を過ぎるころまではよく見えていた(シルエットですが)富士山は見えなくなっていました。
少しここで楽しんだ後に、本当の雲取山の頂上に行きます。ここには七ツ石山と同様、立派な石柱(2017.1m)のほか、東京・埼玉・山梨の山岳連盟が建てた「西暦2017年記念」の木柱も建っています。この木柱はヘリではなく、人力で運び上げたそうです。また山頂には「原三角測點」の碑もあります。あとは雲取山荘まで降りるだけなので、頂上に少しとどまりました。
山荘への急降下が緩くなったあたりに鎌仙人こと富田治三郎(雲取山荘や富田新道)のレリーフへの分岐があります。見学してきました。このまま降りても登山道と合流しそうでしたが、とりあえず元に戻って下降再開。やはり鎌仙人レリーフからの道が合流しました。小屋の近くには田部重治のレリーフもあります。
雲取山荘に到着したのは13時半ころでした。ところが小屋の受付は14時からだそうで、小屋の前のベンチで待ちます。秩父側からもかなり登ってきています(三峰ケーブルカー廃止、現在は三峰神社はまではバス便)。何人かがたまった14時ころに受け付け開始、予約必須ということでしたが、小屋には人数しか伝わっていないようで名前の確認とかありませんでした。JRO(日本山岳救助機構合同会社)やICI石井スポーツの会員証の提示で1泊2食7,800円が7,300円になります。また、今年は2017m・2017年のバッチももらえます。部屋は6畳ほどの部屋に3人をめどに入れていくようです。つまり、部屋が空いていても個室利用はできません。この日の宿泊者は40人ほどだったようです。ぺらぺらのズボンだったので、寒さ対策にズボン下を穿きました。
夕食が18時からなので、それまでビールを飲んだり、持参のウィスキーを飲んだり、同室の人とおしゃべりをしたりして過ごします。
ここの夕食はハンバーグが定番です。ついでにまたビール。前回ここを訪れたのは2003年、1960年に鎌仙人から小屋を受け継いだ新井信太郎氏が小屋を新装したのが1999年、その4年後でした。当時の新井氏はこれまでの山小屋のイメージを払拭して近代的なものにしようという熱意があり、それが利用者にも伝わってきていました。現在、信太カ氏は現場から離れ、小屋も普通の山小屋になったという印象です。
食事のあと、外に出て星を見ようとしましたが、曇っていて見えませんでした。それでも、東京の夜景はよく見えました。
左の画像をクリックすると、留浦(とずら)駐車場から、小袖乗り越しの丹波村村営登山者用無料駐車場までの、車の全面展望動画をご覧いただけます。 | |
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(2) 2日目
同室になった一人の方は、朝食を頼まず早めに出発するということでした。そこで、もし晴れていて星が見えたら起こしてほしいとお願いしておきました。
4時過ぎに起こしてもらえました。1時ころトイレに行くために外に出たら(トイレは水洗ですが別棟)、曇っていて星が全く見えなかったので、安心して(あきらめて)寝てしまっていたのでした。ありがたい。
服を着込んで外に出たら星がたくさん出ています。東は東京の明かりが見える、西は建物が邪魔になるという環境ですが、天の川もかすかに見えるほどです。持参した三脚が軽い簡易三脚で水平をとるのが難しい(ないより遙かにまし)、リモートレリースも持ってきていないので、2秒のセルフタイマーでシャッターを切ります。肉眼ではわかったカシオペヤ座や北斗七星は写真ではあまりよくわかりません。それでもオリオン座はよくわかります。山荘の2階からは東京の夜景もよく見えました。
5時の朝食の後は、ご来光タイム。肝心のご来光の方角だけ雲が出ています。それでもかろうじて雲の隙間に太陽が見えました。
小屋でゆっくりしようかとも思いましたが、天気が良さそうなので6時10分ころに小屋を出発しました。展望を期待して急登の道を上ります。頂上までは小屋から約30分です。それでもほかの人たちより遅めの出発なので、これがよくて頂上を独り占め。期待通りの展望、南アルプスまでよく見えています。服をたくさん着込んで大休止。飽きるほど展望を楽しみます。
その後、避難小屋近くに移動したまた大休止。山頂からは見えにくい丹沢方面がよく見えます。そのかわり南アルプスは見えづらい。しばらくしたら若い人たちが小雲取側からたくさん登ってきます。神奈川県立百合ヶ丘高校の山岳部員たちで、奥多摩山荘のテント場で泊まったそうです。
彼らが頂上に向かったあと、こちらも下山開始。この日も奥多摩山荘前のベンチで行動食をとります。テント場では途中で抜かれた高校生たちが撤収を始めていました。
下山の時は、七つ石山は登らずに巻き道を使おうかと思っていました。でも、天気がいいので七ツ石も登ることにしました。急登ですが登って正解。展望がすばらしい。
あとは七ツ石小屋まで急降下。小屋裏のベンチでまた大休止、ここでも行動食。何人かがここで休んでから七つ石山を、または鴨沢を目指して出発していきました。
小屋を出発した後は、まむし岩から分かれる道(メインの道とほとんど平行)を使いました。いずれにしてもここまでくれば急降下はなく、だらだらと鴨沢目指しての下りになります。
小袖乗り越しの駐車場に戻ったのは13時40分ころでした。帰りは谷畑に出てみました。こちらも道路の方が少し狭く、カーブも多いようです。東京方面からくるのなら、鴨沢バス停(隣のトイレ)からの道に入ったほうが、橋の直後から入りよりも、駐車場への細い道に急カーブすることなく自然に入ることができます。
せっかくだし、今日泊まる宿のチェックインが15時からなので、留浦(とずら)の駐車場の浮き橋で少し遊びました。かつては本当にドラム缶で浮き橋を造っていたのですが、いまはプラスチック製のフロートで浮かせています。奥多摩にはさらに下の方にもう一つ、麦山の浮き橋もあります。
この日の宿舎は(奥多摩の風)はとのす荘です。かつては国民宿舎だったのが民営化して、2015年5月に新装されたようです。とてもきれい、快適なものになっています。部屋のベランダからは鳩ノ巣渓谷が見えます。都心は暑かったようですが、さすがにここはエアコンの必要がないほどでした。お風呂(鶴の湯温泉の湯らしい、ただし沸かし湯、奥多摩湖に沈んだ源泉をポンプアップしてタンクローリーでお湯を運んでいるらしい)は少し小さめですが、早めに入ったためか独り占めできたので快適でした。
あとは部屋でビールを飲んだり、撮ってきた写真をパソコンに移したりとかして夕食まですごします。
夕食はホテルのレストランでの本格イタリアンでした。この日は十数名の宿泊者のようでした。お酒も頼んで楽しみます。夕食後は少し写真の整理などしようと思っていましたが、疲れもあり、お酒も飲んだりで、眠くなったのですぐに寝てしまいました。
左の画像をクリックすると、雲取山山頂からの展望動画をご覧いただけます。 | |
左の画像をクリックすると、小袖乗り越しの丹波村村営登山者用無料駐車場から谷畑まで、また鴨沢バス停から登山者用駐車場の道の入り口までの、車の全面展望動画をご覧いただけます。 | |
左の画像をクリックすると、この日のアルバムをご覧いただけます。 |
(3) 3日目
朝4時半ころに起きて、外を見たらオリオン座が出ています。写真を撮ろうと思いましが、慌てていまい設定がなかなか星撮り用になりません。ようやく設定ができて外を見たら、もう星は雲に隠れてしまっていました。残念。
お風呂が6時からなので、少し昨日の続きのパソコン作業。6時過ぎにお風呂にいったらまた誰もいなくて、独り占めできました。お風呂から出た後は、朝食まで少し散歩、多摩川の遊歩道に降りて旧一心亭跡方面に向かいます。一心亭はおいしいおそば屋さん(旅館もあり)で、川苔山(川乗山)からの長い下山の時など、一心亭のおそばを目標にがんばったのでした。残念ながら大雨で多摩川の水位が上がったときに水をかぶってしまい、ここでの再開をあきらめて、山から下りた後は利用しづらい場所に移転してしまったのでした。
はとのす荘下の吊り橋を渡って見た水神様は、川から垂直に立っている岩の上に見えますが、一心亭跡の方からだと簡単に上れます。でも、水神様からだと真下に多摩川が見得るという位置です。
一心亭跡からはこれも廃業してしまったような鳩和荘脇を上ります。ここには双竜の滝があります。この滝だけ取り出すと立派な滝なのですが、落ち口の上に青梅街道のコンクリートの大きな橋が架かり、脇は民家なので全体を見てしまうとちょっとがっかりの滝です。はとのす荘までは青梅街道を歩きました。
7時からの朝食も洋食スタイル。ご飯・味噌汁もあるそうですが、出されたものだけでおなかいっぱいになります。そこで、食後の運動もかねて、多摩川の遊歩道(トレッキング路)を、朝食前とは逆に上流側の白丸ダム・数馬峡側を歩きました。白丸ダム直前はダムの高さまで上るので、少し急登ですが、それ以外はだいたい平坦。とくに白丸ダムから先は、ダム側(東京都交通局発電事務所)が管理しているようで、この日も道の清掃の人が入っていました。
また、この白丸湖はカヌーの練習場らしく、カヌー置き場もありました。数馬峡橋まで往復すると、はとのす荘から1時間程度かかります。でも、チェックアウトが11時なのでゆっくり歩けます。帰りは雨が降り出し、それも本降りになってきましたが、道は木々に覆われているのでほとんど濡れないですみます。はとのす荘に戻るころには雨もあがっていました。
チェックアウトを済ませて帰路につきます。日向和田の和菓子屋さん紅梅苑でお菓子を買い、さらに近くのおそば屋さん谷津(やつ)でおそばの昼食。ここの十割そばはあまりぽろぽろしないのでおいしい。普通は天ぷらもつけるところですが、朝たくさん食べたのでざるそばだけにしました。
帰りはさらに、ロン・ヤス会談(1983年1月に行われロナルド・レーガンと中曽根弘康会談)が行われた五日市山奥にある日の出山荘の入り口まで行ってみました。車がやっと通れる山奥に、広大な敷地の山荘があります。
あとは日の出ICから圏央道、中央道経由で、14時半ころに帰宅しました。
上の画像をクリックすると行程をgoogle
mapでご覧いただけます。赤は往路(留浦駐車場から登山者用駐車場、雲取登山路)です。 青は復路の登山路、橙は駐車場から谷畑、さらに鴨沢バス停から駐車場への道の入り口です。 |
上の画像をクリックすると、google earthで行程をご覧いただけます。各行程上で右クリックすると出てくるメニューの「高度プロフィル」を選択すると行程の断面図が得られます。 |
2017年9月記