第二部−3− 大気と海の科学

第20章 波

目次
1. 波浪
2. 津波
用語と補足説明
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1.波浪

 海や湖・池の表面に見られる波は、風によって起こされている。こうした波を波浪という。

 風が吹いているその場所では、波はその峰がとがっていて、また波長を不揃いである。これを風浪という。しかし、遠くまで伝わる台風などによって引き起こされた大きな波は、伝わる過程で短波長の成分が減衰して、全体的に波形は丸くなり、波長もそろった長い周期の波となる。これがうねりである。うねりははるか彼方から伝わってくるので、風がないからといって安心はできない。うねりのおそれがあるときは波浪注意報や警報が出ることもある。


風浪とうねり:名古屋地方気象台
http://www.tokyo-jma.go.jp/home/nagoya/hp/bousai/saigai/harou.html

 波浪(風浪とうねり)は、水深に比べて波長が短い表面波といわれるものである。表面波についてはこちらも参照。じっさい、どんな大波のときでも500mも潜ればその影響はほとんどなくなる。この波浪も、陸に近いところでは砕けて磯波・くずれ波(砕け波)となる。


波浪:国土交通省秋田港湾事務所
http://www.pa.thr.mlit.go.jp/akita/cruise/earth-wave.html

 水の粒子を見てみると、深い海では円運動を行っていて、水の粒子が進んで来るわけではない。なお、波についてはこちらも参照。陸に近いところでは、水の粒子の運動はだ円ととなり、やがてくずれる。また波の速さは深いところほど速く、浅いところほど遅いので、波は自然に海岸線に平行になる(陸に垂直に押し寄せる)。だから、海に突き出た岬では波が集中することになる。


岬への波の集中:沖縄地方気象台
http://www.okinawa-jma.go.jp/ishigaki/school/200402/tiritunami.htm

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2.津波

 地震によって引き起こされる津波は、水深に比べて波長が大変に長い長波といわれるものである。表面波と違って、海面から海底までの水粒子が一斉に動いている。津波についてはこちらも参照。長波の伝わる速さは、水深の平方根に比例する。すなわち、深いところほど速く、浅いところでは遅い。津波の伝わる速さについてはこちらも参照


チリ地震(1960年、M9.5)と日本海中部地震(1983年、M7.7)で発生した津波が伝わった様子。
防災科学技術研究所:http://www.hinet.bosai.go.jp/about_earthquake/sec5.3.html

 なお、台風によって発生する高潮はまた別な現象である。高潮についてはこちらを参照

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用語と補足説明

波の伝わる速さ波の伝わる速さは下のようになっている。

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