古代オリエントの宗教

古代オリエントの宗教 青木健 講談社現代新書
ISBN978-4-06-288159-3 740円 2012年6月

目次
序章 「聖書ストーリー」と「各民族の神話ストーリー」
第1章 マンダ教の洗礼主義 1〜2世紀のメソポタミア
第2章 マーニー教のイエス中心主義 3世紀のメソポタミア
第3章 ペルシャの国教ゾロアスター教ズルヴァーン主義 3〜8世紀のイラン
第4章 ミトラ信仰とアルメニア正統使途教会 4〜5世紀のアルメニア
第5章 イスラームにおけるグノーシス主義の復活 8〜10世紀のメソポタミア
第6章 「聖書ストーリー」に吸収されたザラスシュトラ 9〜13世紀のイラン
終章 「今日、われ(アッラー)は宗教を完成させた」
参考文献表
あとがき

 筆者がいうところの「聖書ストーリー」に他の多くの宗教が吸収され、また反発したものは消えていった歴史を俯瞰する。なぜ、「聖書ストーリー」(キリスト教徒イスラム教)が世界を席巻したのか、不思議といえば不思議。

 「聖書ストーリー」派の宗教で一番嫌なのは、全知全能であるはずの神が、一一人間に自分に対する信仰心を試そうとするところ。全知全能なら試さなくてもわかるはずなのに…。宗教なら、「善人なおもて往生す」のような宗教の方がよほどいいと思う。

ゾロアスター教」 青木健

2012年9月記

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