生物と無生物のあいだ 福岡伸一 講談社現代新書
ISBN978-4-06-149891-4 740円 2007年5月
目次
プロローグ
第1章 ヨークアベニュー、66丁目、ニューヨーク
第2章 アンサング・ヒーロー
第3章 フォー・レター・ワード
第4章 シャガルフのパズル
第5章 サーファー・ゲッツ・ノーベルプライズ
第6章 ダークサイド・オブ・DNA
第7章 チャンスは、準備された心に降り立つ
第8章 原詩が秩序を生み出すとき
第9章 動的平衡とは何か
第10章 タンパク質のかすかな口づけ
第11章 内部の内部は外部である
第12章 細胞膜のダイナミズム
第13章 膜にかたちを与えるもの
第14章 数・タイミング・ノックアウト
第15章 時間という名の解けない折り紙
エピローグ
講談社のPR紙「本」に連載されていたもの。だから表題を解説したストレートな科学本ではなく、「肩の凝らない」エッセー風の読み物となっている。DNA発見の歴史から、筆者が研究している脾臓の細胞がどのようにしてインシュリンを細胞外に放出しているのかという話になる。その役目を担う細胞内にある小胞体、その小胞体が細胞膜に穴をあけるときの役目を担うタンパク質GP2。この合成を指令するDNAのその部分を壊したはずのノックアウト・マウスは、たしかにDNAは壊れているはずなのに、GP2は合成されてしまうという不思議。生物は冗長にできていて、その冗長さがバックアップのときに有効にはたらくのだろうけど。
筆者には「プリオン説は本当か」もある。
2007年6月記