化学進化・細胞進化

化学進化・細胞進化 シリーズ進化学 岩波書店
ISBN4-00-006923-3 3,600円 2004年8月

目次
序 生物はどのようにして生まれたか(石川統)
1 細胞の期限(山岸明彦)
2 細胞の進化(石川統)
3 性の起源と進化(河野重行)
4 非細胞生命体の進化(渡辺健一郎)
5 生命の起源の研究に向けて(大島泰郎)
結び(石川統)

 真核生物の起源が「共生」であることはほぼ確定したようである。しかし、生命がいつ、どのように発生したのか、あるいはなぜ地球上の生物がL型アミノ酸だけを使っているのかなどという問いにはまだ解答らしきものが出ていない。

 真正細菌、古細菌、真核生物という大分類以前には、遺伝子の水平転移も起こっていたらしい。

 海底熱水系(周辺の生命)の発見は生命の起源を考える上で、重要な示唆を与えているようだ。

 宇宙生物の探査では、木星の衛星エウロパを注目しているようだが、その表面に液体の炭化水素(メタン?)の存在が確認された土星の衛星タイタンも注目していいと思う。

 この本では35億年前の地球大気には、すでにかなりの酸素があったという説を紹介しているが、これはまだ共通了解事項ではないと思う。

 また、1953年のユーリー・ミラーの実験から50年経つわけだが(50周年の記念はなかった)、原始地球の大気の想定が今の学説とは相容れないとはいえ、その価値は今なお不変であり、逆にいえばそれ以上のものがないという現状も説明されている。

マクロ進化と全生物の系統分類
化学進化と細胞進化
発生と進化
ヒトの進化

2005年1月記

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