宮之浦岳2(屋久島)

  2009年7月21日、日食観測で訪れた屋久島の宮之浦岳を再び登ってきました。前回(2004年9月)の宮之浦岳はこちら

 日食の前日の朝、星も見えて天気もまずまずのようです。3時半過ぎに湯泊地区の宿舎を出発。この日はOBが企画した日食観測ツアーに参加したもと同僚のOさんが一緒です。安房あんぼう手前から、ヤクスギランドや縄文杉見学ルートの荒川登山口行きのシャトルバス(荒川口登山道は一般車通行規制)の発着場への道に入ります。しばらく行くと前日宿舎から電話で朝と昼のお弁当を頼んでおいたあさひ弁当でお弁当(朝昼で1,000円)を受け取ります。山に入るとときどき雨が降るようになってきました。5時ころ着いた淀川よどごうの登山口の駐車場は既に満員だったので、係の人から少し戻って路肩に車を止めるように指示されます。少し戻って車を止める場所を探し、駐車したあと車の中で朝食を食べます。

 明るくなってきた5時30分頃車を出て出発。淀川口登山道入り口で登山届けを出し、簡易トイレを購入します。宮之浦岳への登山者が増えたため、いま環境省や地元はいろいろと対策をとっているようです。結局この簡易トイレは使いませんでした。5時40分ころ登山開始。

 淀川避難後屋は6時半ころに到着。小雨が止まないので、雨具を付けることにしました。ここには簡易トイレを使用するブースがあります。出発するとすぐにきれいな川を渡ります。大きなスギも出てきます。急登を含むアップダウンを繰り返しながら着いた小さな高層湿原小花之江河こはなのえごうで少し休憩。手前で高盤岳(豆腐岩)が見られたはずですが、雨が止む気配がありません。

 ここから少し頑張ると、本当は天国のような花之江河はなのえごうです。でも、この日は霧の中、モノトーンに近い状態でした。ここにも簡易トイレ使用ブースがあり、監視員も常駐しています。

 花之江河からも急登。露岩に黒く太いロープが垂らされていて、それを頼りに登るところもあります。途中黒味岳への分岐を経て投石平へ。ここも穏やかな日ならば絶好の休憩場所、展望に恵まれた場所、のんびりと昼寝もできる場所なのですが、なにしろ雨混じりの強風です。とても休んではいられないのでそのまま通過です。すぐに雨宿りができる投石岩屋です。ここから急登。あとは安房岳や翁岳をトラバースしながら高度を上げていきます。このあたりから花こう岩の巨大な奇岩が見られるはずですが、ガスっているのでよくわかりません。最後の栗生岳くりおだけの脇を通り過ぎれば、もう宮之浦岳は一登りです。

 宮之浦岳頂上(1936m)は10時25分に到着しました。大休止といきたいところですが、強風に加え雨も強くなってきました。記念写真などを撮って早々に戻ることにします。

 10時40分ころ頂上を出発、もと来た道を引き返します。帰り道は強風雨ときどき豪雨という状態になりました。早く森林帯に戻らなくては。途中雨を遮るところがないので投石平手前の岩屋まで戻り、そこでお弁当を食べました。最初に3人のパーティが大休止、これから登るか思案しているようでした。あとからカップルが二組、やはりこの岩屋で食事です。ただ、全員がゆったりと入るほどのスペースはありません。

 黒味岳への分岐でOさんと相談し、分岐にザックを置いて空身で挑戦してみることにしました。この道も結構大変でした。途中にロープだよりで登るところが何カ所かあります。黒味岳への道は尾根の下をトラバース気味に上っていきます。頂上は巨大な露岩です。でもその最高地点へは両側が切り立った露岩の上を歩かなくてはなりません。露岩の上は強風で体のバランスをとるのが難しいので断念しました。おまけにカメラのバッテリー切れ。いくら防滴カメラでも雨が吹き付けるこの場所ではバッテリー交換ができません。少し木のあるところまで戻って電池交換をすることにしました。黒味岳は晴れていれば絶好の展望があるお薦めの山らしいです。分岐からの往復は約1時間でした。

 小花之江河、花之江河は休まずに通過し、淀川避難小屋に戻ったのが15時30分。ここで少し休憩。ここから登山道入り口までは緩い登り道です。登山道入り口に戻ったのは16時15分でした。この日の行程は10時間45分の長丁場となりました。一日中雨だったし、花にも展望にも恵まれなかったので、重い思いをして担ぎ上げた2本の交換レンズは結局一度も使うことはありませんでした。

 帰りは紀元杉を見たり、途中で現れたヤクサルの写真を撮ったりしました。下に降りると道路は乾いていました。下界では雨はそれほど降らなかったようです。宿舎に戻ったのは18時前。すぐお風呂に入り夕食です。おなかがすいていたところに、新鮮な魚介中心の夕食ですから、とても美味しかったことはいうまでもありません。

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淀川登山道入り口。案内板手前の白いボックスは簡易トイレ回収ボックス。 大勢の人が休んでいる淀川小屋。 小さな高層湿原花之江河。 花之江河は霧の中。 立派な木道。正雨で濡れているので滑りやすかった。
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この露岩はロープを頼りに一気に登ります。岩は大きな正長石が特徴の屋久島花こう岩です。 この露岩は木で補強されたステップを頼りに登ります。 小楊子川源流の木道。 宮之浦岳頂上と三角点。国土地理院の地形図では1936mだが、この柱には1935mと表示されている。 ガスが薄くなったときだけ見えた奇岩群。
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黒味岳へ。岩場を登るOさん。 黒味岳頂上付近の露岩。 屋久島の森。 淀川小屋手前、きれいな川に架かる橋。 夕食に出たアサヒガニ。横歩きしない、また茹でる前から赤いカニ。宿舎前の海にたくさんいるという。

2009年7月記

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