8月29日、この日はギボ・ハット(4,703m)を出発、キリマンジャロ登頂。登頂後、一気にホロンボ・ハット(3,720m)まで降りる。
いよいよアタックです。23時に起きて、スープとビスケット。私はビスケットの代わりに、ゼリー栄養を飲みました。0時10分ころ出発。渋滞を恐れる現地ガイドさんはできるだけ出発させたがります。この日は当然急登の連続。ポレポレでも苦しい。この高度では気圧は0.5気圧程度にまで下がっています。深呼吸を交えながら登ります。ツアーリーダーの「5,000mを超えました。」「マウェンジ峰を越えました。」という声がかかります。
ウィリアムスポイント、ハンスメイヤーズケーブなどで休憩。グループの隊列が次第に長くなります。途中、現地ガイドさんにヘッドランプの電池の交換を指示されますが、手がかじかんでうまくできない。ツアーリーダーに助けてもらって交換します。少し時間のロス。一度遅れると先頭グループに追いつくのが苦しい。
4時55分ころ、頂上(巨大な噴火口)の一角(縁のピークの一つ)、ギルマンズ・ポイント(5,682m)に到着。これで一応、キリマンジャロの頂上を踏んだ事になります(登頂証明書をもらえる、ただしウフルピークとは違うもの)。休む間もなく、われわれパーティ12人の中の先頭4人でウフル・ピークに向かいます。現地ガイドさんが前後につきます。ツアーリーダーや他のガイドさんたちは、遅れた人たちを待ちます。いつの間にか私たちに、白人が一人紛れ込んでいました。急登はなくなりましたが、ここからもきつい。先頭グループの中では遅れはじめます。
途中で、6時10分ころ日の出。正直いって歩くのに手一杯。それに簡単に出せるところ(ザックウエストベルトのポケット)に入れてあるコンパクトカメラを操作するには、手袋を取らなくてはならなりません。もちろんアンダーグローブはしているのですが、思わず一緒にとれてしまいます。手が冷たい。ただし、他の人が寒がっていたほど、中央火口の縁でもそれほど寒くはなく、結局ダウンジャケットは着ませんでした。それでも、ガイドさんが写真を撮ってくれました。
その後、ガイドさんのヘルプもあり、必死の思いでウフル・ピークに到達。6時35分ころでした。でも、現地ガイドさんたちは稜線の寒さ、さらに気圧が低い(485hPa程度)ので、できるだけ早く、ギルマンズ・ポイントよりも下の暖かいところに降ろしたがります。せっかく持ってきた三脚をやっとの思いで立てて、遅れて頂上に到達して他の2名とともに記念写真を撮って下山開始。かなり遅れてもう一人ウフル・ピークに到達した人もいました。結局、われわれのパーティ11名中、ギルマンズ・ポイント到達が9名、ウフル・ピーク到達は7名ということになります。
下山は一眼レフを首から下げて、できるだけ写真を撮りながら降りました。下から見ると貧弱になってしまった氷河ですが(かつては頂上一帯が氷河だったらしい)、近くで見ると立派な氷河です。厚さは30m以上あるでしょうか。これがほぼ赤道直下にあるわけです。こちらはポレポレで歩きたいのですが、ガイドさんは急がせます。
ギルマンズ・ポイントに戻ったのは7時半。その下の日当たりのいい、風もない場所でようやく大休止。私はここで防風に使っていた雨具と、フリースジャケットを脱ぎ、目出し帽もとります。
この下は砂礫帯は、富士山の砂走りのように、ガイドさんに助けられながらギボ・ハットまで駆け下りました。ギボ・ハットに戻ったのは8時50分。小屋の中でお茶を飲み、ゆっくり休んでから、荷物のパッキング。この日はさらにホロンボ・ハットまで降りなくてはなりません。
10時に出発。キリマンジャロを振り返ります。最後の水場は12時ころ。ホロンボ・ハットに着いたのは13時ころでした。休憩を入れると、13時間程度のとてもとても長い行動日でした。すごく疲れました。何しろ空気の薄い中、1,300mくらい登って、2,000m以上下ったわけですから。
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