武甲山

 2004年4月25日(日)、秩父の名峰、武甲山(1,295.4m)に行ってきました。武甲山は全山石灰岩でできているために採掘され、とくに北面は悲惨な姿になっています。頂上までも移され低くなってしまいました。でも、これは明治以降の日本が歩んできた道の縮図ともいえると思います。

 新宿に朝5時半ころについたのに、ホームは大混雑。それほど朝帰りの人達という感じでもなかったけど、いったい何なんだろう。西武池袋線池袋発6:01の準急飯能行きに乗り、所沢で6:37特急発秩父3号に乗り換えて7:37に横瀬着。ところが、駅前にはタクシーが1台、他の人に先を越されてしまいました。仕方なく登山道入り口の生川(うぶかわ)を目指して車道を歩き始めました。石灰岩採掘が進む武甲山の北面がよく見えます。途中でタクシーが戻ってくるので、それを捕まえました。西武秩父からの登山客を送った帰りのタクシーでした。ケチらないで初めから西武秩父前で行けばよかった。

 でも、途中乗車なので表参道登山道入り口(第一鳥居)の少し先まで行ってもらって1,380円でした。ここは8丁目/52丁目。身支度を調えての山を開始したのは8:30。表参道の結構きつい登りを我慢して登ります。登りは何とかなって、かなり数のパーティを追い抜かしますが、逆におそろしく速い3人組と単独行動2人に追い越されます。上に登っていくとだんだん石灰岩が露出してきます。

 頂上は9:50。立派な神社があり、その横から第1展望台に行けます。いまどき珍しい大部隊の高校山岳部が一緒でした。頂上直下まで石灰岩の採掘が迫っています。でも、頂上から北方向の展望は素晴らしい。浅間山や谷川岳まで見えます。

 10:20分ころ出発。長者屋敷ノ頭から秩父札所28番橋立を目指します。最初は急降下。石灰岩だけでなくチャートも混じりです。両神山がよく見える場所もありました。途中で気持ちのいい尾根道になります。中学生や高校生の団体にも会いました。どこが長者屋敷ノ頭かわからないまま再び急降下。急降下は苦手、膝が痛みます。11:30ころに沢まで降りました。このあたりは新緑と水が映えて美しい。あとは沢沿いのなだらかな道です。新緑を愛でながら歩きます。

 途中で林道(終点に駐車スペース)となり、最後は札所28番橋立堂。ここは馬頭観音です。茶店の“はにつえん”で手打ちそばを頼みます。ビールの付け合わせにお店の人が採ってきたという“こごみ”が出てきました。おいしい。

 ついでに橋立鍾乳洞を見学しました。武甲山の石灰岩はコノドントの研究から中生代のものだとわかっています。秋吉の石灰岩と同じく、遙か南方から運ばれて日本に付加したものです。ただ、この鍾乳洞は鍾乳石などは少ない。短いわりには立体的になっていて、思わぬ高いところに抜け出てきます。なぜか洞内は写真撮影が禁止です。一生懸命お金儲けをしているようですが、ちょっと時代感覚(最近の金銭感覚)からずれている? 入洞料が200円ですから。

 ここからは秩父鉄道の浦山口駅までは10分程度。13:43の電車で御花畑は13:50分。西武秩父からの特急は18時台まですべて満席ということで、14:02の飯能行きに乗って帰宅の途につきました。

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武甲山北面。 表参道登山道入り口。 頂上の武甲山御岳神社。 第1展望台から秩父市。右下のピンクは芝桜が満開の羊山公園。 遙か谷川岳連峰。写真では見えにくいがまだ雪をかぶっている。
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頂上から少しくだったところからの両神山。 気持ちのいい尾根道。 新緑の山肌。 はにつえんで甚太郎そば(手打ちそば)を食べる。 札所28番橋立堂。

2004年4月記

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