西オーストラリア(8月25日)

 この日はロットネスト島サイクリング。日本からのツアーでも自由行動日です。ただ、朝から天気が悪く、サイクリングは明日にしようか、でも天気予報(TVの天気予報はパースはあるが、ロットネスト島は出てきません)では明日もあまり芳しくない、どうしようかと最後の最後まで迷いました。ともかくパース駅までと、かなり強い風雨の中、ホテルを出ます。

 駅に着くころには雨も弱まって来たので、サイクリングを決行することにしました。どうしようもなければ、フリーマントル観光に切り替えればいいし。フリーマントル発ロットネスト島行きの船は、7時半の始発の次が9時半なので、それに乗ることにします。パースからの直行の船よりは、パースからフリーマントルまで電車を使った方が圧倒的に速い。

 パースからフリーマントルの電車は約15分ごとに出ています。8時15分の電車に乗りました。料金は3$40¢です。各駅停車でも約30分でフリーマントルに着きます。雨は止んでいて、ロットネスト島方面は青空も見えます。

 フリーマントル駅から桟橋までは、ぐるーっと大回りしなくてはならないのかと思っていましたが、フリーマントル駅を降りて桟橋方面に歩いてみたら、歩行者専用のショートカットの道があり、桟橋まで5分もかかりませんでした。

 桟橋のチケット売り場で、船のチケットを購入し自転車の予約をします。47$+24$+50$(デポジット料金)でした。船は始発ではなく、すでに何人かの乗客が乗っていました。定刻から少し遅れて出発。ところが対岸に見えていた岸壁を回り込んだところにも桟橋があり、そこで停船。大勢の乗客が乗り込み、さらに個人の自転車と貸し自転車を積み込みます。日本からのツアー客のかなりの人が、日本のツアー会社が用意したオプション「ロットネスト島1日観光(日本語ガイド)」というものに参加したらしく、ここから船に乗り込んできました。フリーマントルまではホテルからバスで来たそうです。島では2時間のバスツアーです。

 本当はフリーマントルからロットネスト島までは30分程度の距離ですが、ここで時間がかかり、島に着いたのは10時半近くになっていました。貸し自転車には借り主の名前がついているものがあり、どうもフリーマントルで自分好みの自転車を選ぶことができたようです。そうしなかった人たちは最後に余った自転車を適当に借りることになります(積み込んだ自転車の数と借りた人の数は合っているようです)。オーストラリア(西オーストラリア州)は自転車に乗るときはヘルメット着用が義務なので、貸し自転車にはヘルメットもついています。

 自転車は3段変速のマウンテンバイクです。こちらの自転車のハンドブレーキは補助ブレーキで、メインブレーキはペダルの逆回転です。はじめは少し戸惑います。

 桟橋を出たところにあるインフォメーションセンターに寄ったりなどしていたら、11時半ころになってしまっていました。サイクリング開始。最初は、島に来た目的の一つである、島の湖(塩湖)、ガバメントハウス湖、サーペンタイン湖、ハーシェル湖などにあるというストロマライトを探しに行くことにしました。なお、この情報は通産省工業技術院地質調査所(当時)が出している「地質ニュース556号」(2000年12月)にありました。

 ところが、“市街地”の道が結構複雑で、なかなか湖への道が見つかりません。結局交番(?)のお巡りさんに道を聞くことに。親切に道を教えてもらったのでいざ出発と思ったら、近くにこれまたロットネスト島に来たもう一つの目的、クォッカ(2匹)が姿を現しました。思わず写真をたくさん撮ってしまいました。

※ クォッカ:大型齧歯類に似た姿をしている有袋類。初めて見たヨーロッパ人がネズミと間違え、その巣が多いということかネズミの巣の島=ラット ネスト島と名付けられた。クォッカはオーストラリア南西部に生息しているようだが、この島にはかなりの数がいて、さらに厳重に保護されているようだ(ほかのほ乳類を入れないようにしているらしい)。

 そんなことで、12時ころに市街地を抜けて、ようやくガバメントハウス湖を見つけたのは、12時10分ころになっていました。だが、この日は風がかなり強く、湖面が波立っていて水面下がよく見えません。それらしきものはあるのですが、結局確認できませんでした。

 ストロマトライト探しはこの辺で切り上げて、本格的にサイクリング開始。はじめは地図と自分のいる位置の対応がうまくとれず(島の大きさなどの土地勘がない)、どこを走っているのかよくわかりません。島の真ん中を通る道に入ったようです。それでも、目標のワジェマップヒルの灯台にたどり着きました。島のサイクリングはアップダウンが多くてきつい。でも、ここが今日の最高地点と思ってがんばりました。

 灯台近くの茂みにはクォッカがいたので、しばし観察。ついで灯台が建つ丘のとなりの丘に建っている信号所跡など見てから、灯台に行きました。灯台の中には入ることができませんが、ここからの展望はすばらしい。パースやフリーマントル方面、さらには反対側のインド洋方面も見えます。ここで、軽食を含めて大休止。ロットネスト島は、港近くに施設が集中してあるだけで、あとは全くの無人です。港近くで食事をとらない場合は、食料・水を持参する必要があります。

 ここでも足下にクォッカが現れました。野生とは思えないくらいに人懐こい。クォッカは夜行性と聞いていたので、あまり遭遇することは期待していませんでしたが、十分に見ることができました。たまたま灯台で一緒になった二人組白人女性のうちの一人が履いていた革製のブーツのにおいがお気に入りらしく、彼女の足にまとわりついたりしていました。

 クォッカとしばらく遊んで、13時半ころにいよいよ島の西端ウェストエンドに向けて出発。最高点は通過したはずですが、相変わらずアップダウンが多く、おまけに強い西風(向かい風)でなかなか大変。灯台から降りてきた道と、島の南側を通る道との合流地点からまもなく、ナンシーコーブ(Nancy Cove)という場所があり、きれいな海が見えました。ここで一休み。

 その後は一気にウェストエンドへ。ウェストエンドに着いたのは14時5分でした。ここで自転車降りて、崎の突端(Vlamingh Cape)までは木道歩きになります。インド洋の海水はとてもきれい。でも風が強くて波がすごい。おまけに岬の先端では北西からの波と南西からの波がぶつかってさらに勢いを増していました。

 ここで、親切な老白人夫婦と出会いました。彼らの自転車は見あたりません。どうも島内は一周ツアーバスばかりではなく、乗り合いバスも結構走っているようで、これを利用して適当なところで乗り降りして観光する人もいるようです。まあ、港からここまで11kmということなので、いざとなればハイキングができる距離です。

 名残は尽きないのですが、16時半の船を予約しているので、14時半ころウェストエンドを出発しました。アップダウンはもちろん変わりませんが、風が追風になったので、帰りは少し楽です。

 島の南側の道を使い、Watson Glade付近も巡って、桟橋に戻ったのは16時ころでした。少しおみやげ屋さんを探したのですが、海岸近くはカフェやダイバースショップで、おみやげ屋さんらしきものはありませんでした。クォッカのぬいぐるみがあれば買ったのになぁ。

 帰りの船は自転車を積み込んだところで停船して、自転車と少しの乗客を降ろします。そのあとに、乗った桟橋に停船。オプショナル・ツアーに参加した人たちもここで一緒に下船しました。降りたあと、切付を購入した窓口でデポジットの50$を返金してもらいました。ほんとに自転車を返したか、壊してはいないかのチェックもないアバウトさでした。

 この桟橋には、日本からのツアーのバスが待っていて、この日の夕食会場、高級ホテルらしいフリーマントルのエスプラネードへ行きました。夕食はシーフードバイキングです。早く着きすぎたらしく、かなり待たされたので、その間にロビーのバーで生ビール(小で5$)を注文して、飲みながら待つことにしました。夕食が始まってからは白ワイン(ハーフで16$)を頼みました。

 食後、またバスでパースのホテル(CITIGATE PERTH)に戻って、この日の日程を終えました。結局サイクリングで正解でした。ロットネスト島では、ほとんど雨にも降られずにすみました。ただ、終日風は強かった。

 ホテルの部屋にはLANの配線があり、また無線でもLANに入ることができます。フロント横にはビジネスセンターもあったので、最初こちらを利用しようとしました(30分10$、パスワードが書き込まれているカードをもらいます)。でも、ビジネスセンターのコンピュータには日本語文字セットが入っていません。取り合えずお金を返してもらって、自室でネットに繫げることに。無線の場合は事前に料金を支払ってパスワードをもらうようですが、有線でつなぐときはパスワードは必要なく、あとで精算とのことです。

 はじめは持参のコンピュータを有線で繫いでもネットに入れません。無線のアクセスポイントは見えるのですが、パスワードもらっていないので、これも入れません。やっと、LAN配線のおおもとに、ふつうの電源コンセント(これもスイッチがありますね)と同じようにスイッチがあり、それをオンにしないとだめなことがわかりました。LAN配線のおおもとが机の下にあるので、下をのぞき込まないとわかりません。現地の人には当たり前の仕様なのでしょうが、初めての場合戸惑います。

 という具合に苦労してやっと繫がりましたが、お値段が高い。1時間13$弱、次は24時間25$弱という設定です。とりあえずメール・チェック程度と思って、1時間という方をチェックして利用しました。中に入れば高速なので、確かに快適です。ついでに、日本のサイトでニュース(TVでも時間限定で録画したNHKニュースを流しています)やこちらの天気を確認しようとしたら、あっという間に1時間がたってしまいました。2時間利用すると、24時間利用と同じ料金になってしまうので、ここで止めました。

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フリーマントル駅と電車。どちらもきれい。 電車内。 この船で島へ渡ります。 ストロマトライト? ガバメントハウス湖。 灯台近くの茂みにいたクォッカ
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ワジェマップ灯台。 灯台からパース市中心の高層ビル群を見ます。手前にはストロマトライトを探した湖も見えます。 灯台近くで見た花。 このような地図がポイントごとにあるので、安心です。いま、ウェストエンドだとわかります。 インド洋の大波。強い風で、波頭から海水が白煙のようにたなびいています
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入り組んだ湾内は波も静か、きれいな海水が見えます。 強風でカモメも空中で止まっています。 木道脇に咲いていた花。 岬突端近くの穴から下をのぞき込むと、海水が逆巻いていました。 岬を遅う大波。二方向から波が来ているのがわかります。
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橋状にになった岩の間から波が吹き上げます。 次から次へと大波が来ます。 島が一番くびれている場所(Narrow Point)付近から島の北側の光景です。遠くにワジェマップ灯台も見えます。 ガウディの建築物みたい。Salmon Point付近。 きれいな海の向こうにフリーマントルの町が見えます。Jeannies Lookout付近から。

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