エジプト(1月3日)

この日はピラミッドを見学して回ります。

 朝食はホテルでビッフェスタイル。朝食後、まずナイル西岸のギザ高地にある三大ピラミッドの見学です。ホテルがギザ地区にあるので、車ではほんのわずかな時間で着きます。

 最初は最大の第4王朝第2代クフ王(在位紀元前2589年ころ〜紀元前2566年ころ)のピラミッド。もともとは高さ146.6mありましたが(頂上にその高さを示す鉄パイプのピラミッド)、いまは最上部が崩れて137mです。ここは内部に入って見学しました(撮影は禁止)。急な傾斜の階段を登って“玄室”まで行くことができます。急傾斜で、おまけに蒸し暑いので結構大変です。その後、後に回り込んで、ピラミッド脇から発掘された巨大な「太陽の船」(ラー神とともに来世への最後の旅をしたという木造船、レバノン杉でできている)を展示している博物館の見学です。いまから4500年以上も前のものなのに、その保存状態の良さにびっくりします。ナイフ(石器)やハンマー(花こう岩のかたまり)などの工具も展示してあります。よくこんな貧弱な道具で、このような立派な船ができたものだと感心します。

 その後、三大ピラミッドが一望できるポイントに移動して写真タイム。残念ながらカイロ付近は靄っていることが多く、このときも空気の透明度が低かったので、あまりクリアな写真は撮れませんでした。それにつけても日本ではまだ縄文時代(約1万数千年前〜2千数百年前)のこのときに、よくもまあこのような巨大建造物を造ったものだと感心します。

 写真を撮ったあとは第2ピラミッドの前に立つスフィンクス見学です。ピラミッドやスフィンクスは単独で存在しているのではなく、葬祭用の建造物などもセットであるピラミッド・コンプレックスの一部です。この有名で巨大スフィンクス(高さ21m、長さ73m)は第2ピラミッドと一体のものです(第2ピラミッドの参道にあります)。すでにトトメス4世のころ(紀元前1400年ころ)には砂に埋もれていたそうです。夢の中でスフィンクスから掘り出してくれるように頼まれたトトメス4世は、掘り出したおかげでファラオになれたという話です。その後も何度も砂に埋もれたり、また顔を破壊されたりしてきました。

 この日の昼食は生前の姿が偲ばれるハト料理(ハトさん、ごめんなさい)でした。香ばしく焼き上がっていましたが、何しろ身が小さいので少し食べづらい。

 昼食後は、1時間ほど南に下ったところにあるダシュハールの赤のビラミッドと屈折ピラミッドの見学です。両者ともクフ王の父、第4王朝の初代スネフェル王(在位紀元前2613年ころ〜2589年ころ)が建てました。車が赤のピラミッドの近くに止まったので、赤のピラミッドは眼前に、屈折ピラミッドは少し離れて見ることになります。この時代のピラミッドづくりはまだノウハウを蓄積している段階で、いろいろと試行錯誤をしていたようです。

 また車でメンフィスに移動します。デルタの入り口であるメンフィスは古代王朝(上エジプトによる下エジプトの征服、第1王朝(紀元前3000年ころ〜紀元前2828年ころ)時代、最初の首都だったところです。博物館でラムセス2世の巨像(寝像)や、アラバスター製のスフィンクスなどを見学します。

 この日の最後は、サッカラにある第3王朝のジョセル王(在位紀元前2668年ころ〜紀元前2649年ころ)の階段ピラミッドとその周辺の遺跡群です。階段ピラミッドの建築担当者であるイムホテムは後のエジプトでは神としてあがめられることになります。ここも大きなコンプレックス(葬祭複合体)になっていて、いくつかのピラミッド、お墓(マスタバ)などが、階段ピラミッド以外はどこまでがどの遺跡かわからないくらいに密集しています。また、このあたりからはかすかに三大ピラミッドも見えました

 このあとは絨毯屋さんに少し立ち寄って絨毯作成の実演を見たあと、ホテルに戻りました。夕食はビッッフェスタイルです。

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カフラ王のピラミッド(第2ピラミッド)の前に、ラクダに乗った警官がいました。ときどきチップを請求する警官もいます。 クフ王の第1ピラミッド。 クフ王のピラミッドの内部への入口です。上に本当の入口がありますが、現在は盗掘用に掘られた穴を利用して中に入ります。 入口から下を見下ろしています。ピラミッドを組み立てているブロックの大きさがわかります。 クフ王のピラミッドの上部。組み立てられているパイプはもとの高さ(146.6m)を示しています。
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分解された状態だったものを復元した太陽の船。船尾側からはこちら。驚くべき保存状態のロープはこちら 上部に表面を平らにしていた表装石がかろうじて残っている第4王朝第4代カフラ王(在位紀元前2558年ころ〜2532年ころ)の第2ピラミッド。高さ136m。 三大ピラミッド。左からクフ王、カフラ王、メンカフラ王(第6代在位紀元前2532年ころ〜2503年ころ)のピラミッド。 クフ王とカフラ王のピラミッド。 メンカフラ王の第3ピラミッド(高さ66m)とその衛星ピラミッド。拡大はこちら。王朝が衰え始めたためか、丁寧につくられていないので、崩壊度が一番大きい。
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スフィンクスと第2ピラミッド。 顔を拡大してみました。長い尻尾はこちら ハト料理を食べたレストラン。 赤の(北の)ピラミッド。高さ105m。ほかのピラミッドよりほんの少し赤い岩を使っています。傾斜角度が43°と少し緩い。入り口へ登る人たちはこちら。最上部はこちら 屈折(南の)ピラミッド。初めの傾斜角54°が途中から43°に変わっています。高さ92m。建設中に54°の傾斜では崩れるということで、途中で緩くしたという説が有力です。
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メンフィスにあるラムセス2世の巨像(体長15m)。地震で倒れたしまったという。足下に子どもの姿が刻まれています。上半身はこちら アラバスター(大理石の一種)製のスフィンクス。高さ4.25m、長さ8m。後ろはおみやげ屋さん。 メンフィスからサッカラの途中。運河沿いの緑。町の中の家はこちら。畑はこちら 祭壇にあるコブラのお守りから階段ピラミッドを見ています。最上部はこちら。近くにいたラクダはこちら サッカラの遺跡群。壁に刻まれた市場(魚をさばいている人も)はこちら

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