エジプト(12月28日)

この日はルクソール(テーベ)周辺の観光です。

 朝食はいつものビッフェスタイルに加え、ご飯の海苔巻き、醤油味の魚料理、味噌汁も出ました。朝食後に船のデッキに出ると、遠くに王家の谷がある山とその辺りに浮かぶ熱気球が見え、ナイル河には漁師さんたちの船が浮かび、水鳥もたくさんいました。

 昼食前はナイル河西岸の観光です。8時過ぎにバスでまず王家の谷に向かいます。第18王朝のトトメス1世(紀元前1520年ころ)から王の墳墓の土地となったワジ(涸れ谷)が王家の谷です。王家の谷には8時45分ころ着きましたが、もう大変な数の観光客です。船を出るときは肌寒むかった気温も、王家の谷に着くころにはかなり高くなっていて、さらに強い日差しが照りつけます。王家の谷はお墓の外観は撮影可ですが、お墓の中は撮影禁止、さらに一番の人気(?)のツタンカーメンのお墓はカメラの持ち込みも禁止です。それぞれのお墓に入るまで、かなりの行列を覚悟しなくてはなりません。

 若死にしたツタンカーメン(第18王朝、紀元前1350年ころ)のお墓(ここだけ別料金)の規模は小さいのですが、盗掘されない状態で発見された数少ないお墓です。中にきれいに彩色された石棺と本人のミイラが展示されています(その他多くの埋葬品はカイロの考古学博物館に展示されています)。

 次いで、第18王朝タウセルト王と第19王朝セトナクト王お墓、次いで急な階段を下る第19王朝ラムセス1世(紀元前1310年からの第19王朝の初代)のお墓(解説版はこちら)、最後にラムセス4世の墓を訪ねます(解説版はこちら)。1枚の入場チケットで3つのお墓に入れるようです。それぞれのお墓の内部は、いかにもエジプトという感じの絵(レリーフ)と象形文字(ヒエログリフ)で埋められています。

 ついで向かったのが、エジプト古代王朝最初の女王ハトシェプスト(第18王朝、紀元前1500年ころ)の葬祭殿です。彼女のために長らく実権を持てなかった義理の息子トトメス3世によって、ハトシェプストを示す像の顔、銘文に刻まれた名前が抹消されています。

  # この葬祭殿が1997年11月17日のテロ事件の舞台となりました。その後、エジプト政府による観光客に対する警備が強められました。

 その後、夜明けに母に挨拶をするメムノンの声が聞こえたというメムノンの巨像の見学です。神秘的な声は、紀元後3世紀に修理されたあと聞こえなくなったそうです。巨像の見学のあと、東岸に渡り昼食となりました。昼食はモロヘイヤ・スープのほかスープがもう一皿、メインはカバブとパスタの混じったご飯でした。

 昼食後の観光はナイル東岸です。まず壮大なカルナック神殿です。テーベ3神(アメン神、ムート神、コンス神)を祭る神殿です。数々の王がそれぞれ拡大しているので、全体としてものすごい規模になっています。正直、どれがどの王のものなのか1回の訪問ではわかりません。

 この日の最後の観光はルクソール神殿です。アメン・ラー神とムート神の結婚1周年を祝って建造されました。カルナック神殿ほどではありませんが、ここも巨大な神殿です。

 見学を終えたあと、バスでエスナに停泊している船を追ってエスナまで1時間ほどの行程です。日が沈んだあとぐっすりと寝てしまいました。船の寝室のベッドには、バスタオルなどでバラの形が作られていました。エスナを出航した船はまもなくエスナの閘門(ドック)を通過します。この日の夕食はキャンドルの灯りだけのキャンドルディナーでした。メインはビーフ、チキン、魚から選択できましたが、ビーフを選びました。

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朝食。右が魚、真ん中の器は味噌汁、その右に海苔巻き。グラスはハイビスカス・ジュースです。 王家の谷を囲む山と熱気球。 漁師さんが水面をたたいています。驚いて飛び出す魚をねらう漁法のようです。 もう動き始めているクルーズ船もあります。 王家の谷の入口にある谷の模型。下から見ると墓の地下構造が見える。
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王家の谷の入口から奥へは、このシャトルで向かいます。 ツタンカーメンのお墓の入口。 発掘が続く王家の谷。 第18王朝タウセルト王と第19王朝セトナクト王の墓です。解説版はこちら 王家の谷の岩壁と真っ青の空。
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ハトシェプストの葬祭殿。 葬祭殿の柱。 葬祭殿内に残る絵。左が破壊を免れたハトシェプスト? 葬祭殿上階の像。 葬祭殿まわりのおみやげ屋さん。
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メムノンの巨像。顔の拡大はこちら モロヘイヤのスープ。メイン・ディッシュはこちら カルナック神殿を埋める観光客。 羊の顔のスフインクスが並ぶ参道です。羊の顔の拡大はこちら ラムセス2世(第19王朝、紀元前1275年ころ)の巨像の対面に立つピヌジェムの巨像。足下の王妃の拡大はこちら
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端正な顔のトトメス3世(第18王朝、紀元前1470年ころ)。ハトシェプストの義理の息子。エジプト領土を最大とする。 左回りに7回回ると縁起がいいというスカラベ像。観光客がたくさん回っていました。背景はトトメス1世のオリベスク。 第2塔門と第3塔門の間の134本の巨大石柱の部屋。 ルクソール神殿のオリベスク。対になるもう1本はフランスのパリにあります。オリベスクの先端部分はこちら ラムセス2世像(第19王朝、紀元前1275年ころ)。顔の拡大はこちら
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ラムセス2世の部屋。顔の拡大はこちら 上エジプトと下エジプトの融合を示すレリーフ。 アメンホテプ3世夫妻(第18王朝、紀元前1400年ころ)。この頃古代エジプト文明は最盛期。 アレキサンダー大王に王権(ファラオ)を与えるエジプトの神。 ナイル川に沈む夕陽。

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