第二部−2− 地球の科学

第1章 地震

3. 震源の分布(付録2)

 今度は東北地方の震源分布の断面図をつくってみる。なお、この方法も、京都大学理学研究科・地球惑星科学専攻・地球物理学分野 久家慶子氏のページで公開されていたものであり、氏の了解を得て引用している。なお、この方法のオリジナルは同大学環境学研究科の酒井 敏氏とのことである。また、ある程度のExcelの知識も必要である。以下の手順でできると思うが、どうしてもできないときは一番下のExcelファイルをダウンロードして実際に見ることもできる。

(1) データの入手とExcel形式で保存
a.データの入手
b.Excel形式で保存
(2) 震源分布図
a.グラフ化
b..軸の反転
c.整形

 

(1) データの入手とExcel形式で保存

a.データの入手

 USGS(アメリカ地質調査所)データを公開しているので、それを入手する。

http://earthquake.usgs.gov/earthquakes/search/ 地震カタログサーチ(Earthquake Catalog Search)にアクセスする。

 データの取得期間は1973年1月1日〜2015年6月12日、さらに、日本海から東北地方の緯度として(北緯)37°〜42°、経度として(東経)130°〜145°、マグニチュードは4.0〜9.5、震源の深さ0km〜750kmとする。

画面上のBasic Optionsで自分の要求を入力。画面はデータ取得1973年1月1日〜2015年6月12日、、マグニチュードは4.0〜9.5、震源の深さ0〜750km、震央位置経度130°〜145°、緯度-37°〜42(東北地方)を要求している。それ以上のオプションはつけていない。 画面下でデータ形式CSV(データをカンマで区切った形式)をチェックして、【Serch】ボタンを押す。

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b.Excel形式で保存

 Excelがインストールされていれば、自動的にExcelが読み込んだ形で表示される(はず)。9000回以上の地震データが得られる。念のために1回きちんとExcel形式で保存する。今回使うのは経度と深さの列である。

使うのは経度と深さの列。

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(2) 震源分布図

a.グラフ化

 震源の経度データを選択したあと、[Ctrl]を押したまま深さのデータも選択する。震源の分布図をつくる。グラフはExcelのグラフ作成機能(ウィザード)を利用する。

 範囲を選択したら、ツールバーの「グラフ」を押してウィザードを起動して[散布図]を選んでグラフ化する。グラフを作成する場所は「新しいシート」を選択する。こうしてつくったグラフは下左図。

b.軸の反転

 a.でつくったグラフは縦軸が逆になっているので、上下を入れ替える。Y軸上で右クリックしてメニューを出し、「軸の書式設定」を選び、「目盛」タグで軸を反転するにチェックを入れる。さらにX軸を130〜145とする。これで一応完成である。

このようなグラフができる。 Y軸を反転させる。

c.整形

 あとは好みに応じて整形する。たとえばデータの系列の書式を3ポイントの大きさの赤い○にしたり、プロットエリアやグラフエリアに色を付けたりする。こうした結果が下のグラフである。深発地震の震源が、日本海溝からアジア大陸に向かって深くなっていく和達面がきれいに見える。どうしてもできない人はこのExcelファイルをダウンロード(約5.5MB)してみてください。

1973年〜2015年に起きた地震の震源(東北地方の東西断面) この地域(北緯41°、東経120°〜北緯41度〜東経145°の地震波CT。プレートの潜り込みがよく見える。
地震波CTの作成はhttp://csmap.jamstec.go.jp/を利用し、地球モデルはGAP-P4を使った。
Obayashi, M., Yoshimitsu, J., Nolet, G., et al. (2013). Finite frequency whole mantle P wave tomography: Improvement of subducted slab images. Geophysical Research Letters 40: 5652-5657. (doi: 10.1002/2013GL057401)
Fukao, Y., and Obayashi, M. (2013). Subducted slabs stagnant above, penetrating through, and trapped below the 660 km discontinuity. Journal of Geophysical Research, 118: 5920-5938. (doi: 10.1002/2013JB010466)


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