※ 千鳥格子追記(2003年7月30日)
Do Nothing(ひまなしクランク)は、ただクランクをくるくる回すだけのおもちゃです。溝に沿って動く二つのスライダーが絶対にぶつからないで行き来するのがおもしろい。右回しに飽きたら、左回しもできます! じつは、クランクの取っ手の軌跡がだ円を描きます。そのため、数学の授業でだ円をやるとき、数学科の人が私のDo Nothingを持っていきます。
高山屋台はそのバリエーションです。四つ角を交差する屋台は絶対にぶつかりません。高山のおみやげ屋さんで売られていました。近くの飛騨古川にもありました。
飛騨といえば匠のふるさとです。飛騨古川の「飛騨の匠文化館」では、「千鳥格子」のパズルがありました。家を探したら、かなり昔に高山で買った千鳥格子の模型もありました。こうして枠がついていると、千鳥格子のトリックがわかりにくいので、かえっておもしろいかもしれません。一見何の変哲もない格子ですが、一つの桟を追っていくとその不思議さがわかります。軽岡峠にあった本物は、高山から白川郷へ抜けるR158のトンネル前のP.A.に御堂ごと移転されています(荘川村教育委員会が管理)。
※ Do Nathingについては、「続・おもちゃセミナー」(戸田盛和、日本評論社、昭和58年)の<第1回 何もしない?>を参照。ここに、クランクの取っ手がだ円を描く証明が出ています。
※ 千鳥格子については、「第四物理の散歩道」(ロゲルギスト、岩波書店、昭和44年)参照。ただし、ここで記述されている由来は、上の荘川村教育委員会の説明と異なります。また、写真も上のP.A.のものと異なります。本物や由来が複数あるのかな?
Do Nothing(ひまなしクランク) クランクを回すとスライダーが溝に沿って一つが左右、もう一つが上下に動く。でも、けっしてぶつからない。クランクの取っ手はだ円を描く。東急ハンズで購入(いまはないようである)。 | |
高山屋台 Do Nothingのスライダーの上に屋台が乗っている。交差点を互い違いに通過する。高山でゲット。 | 昔、高山のおみやげ屋さんで買ったもの。白い桟を追っていくと不思議さがわかる。あたかも木を編んだようになっている。 |
これは飛騨古川の「飛騨の匠文化館」で購入した千鳥格子のパズル。これで不思議な千鳥格子のタネがわかってしまう。 | 千鳥格子。5×5本、かつ表面が化粧されている豪華版。飛騨古川「飛騨の匠文化館」で購入。近くには製造元の直販店(うどん屋さんも兼ねている)もある。 |
2002年7月記 2004年4月更新
千鳥格子追記(2003年7月30日)
千鳥格子の現物を見てきました。場所は上にも書いたように、岐阜の高山市から荘川村(さらには白川郷)に抜ける国道158号の軽岡トンネル手前の駐車場です。
その説明文は以下の通りです(数字を漢数字から算用数字に直しました)。
名称:荘川村指定文化財 千鳥格子御堂
指定年月日:昭和46年10月7日
指定理由一.慶長元和(1,596〜1,622)
指定理由一.御堂の格子が所謂千鳥格子で細工の妙
説明事項:いまからおよそ350年前慶長元和の頃 この地区の了宋寺を建てた名工飛騨匠某が その餘材で旧軽岡峠の辻に地蔵堂を造った その地蔵堂の格子は檜の角棒を互いちがいに組んであるが どこでどのように組み合わせたものか 外見では全くわからない立派な細工で 少しのくるいもなく その出来映え妙に感心し 千鳥格子と呼ばれている この地蔵堂は昭和43年の新軽岡峠開削 平成4年の軽岡バイパスの開通にともない 旧軽岡峠の辻から新軽岡峠口を経て現在地に移された
荘川村教育委員会
御堂ごとこの建物の中で保存されています | 外の格子はふつうの格子、中の御堂の格子が千鳥格子です。 |
中の地蔵堂の千鳥格子です。木を編んで造ったように見えます。上に紹介した「第四物理の散歩道」の写真では千鳥格子は破損していますが、これはこの通り完全です。まわりの木と色が違うので、移転するときに補修した? |