ダーツ

  十数年前ダーツに凝っていました。まさにダーツの合間に授業をやっている状態。そのうち生徒も聞きつけて、どうしてもやらしてくれということに。昼休みや放課後など、教員−生徒入り乱れてのダーツ合戦でした。ダーツボードは、当時は広かった理科の研究室に置いてありました。古き良き時代の話です。

 考えてみれば、当時の生徒たちはもう30歳台の半ば。そう、当時の私たちの年齢です。

(1) ボード

 右がダーツボード。オフィシャルボードです。シサル(サイザル麻)の繊維を強く束ねたものです。

 点数は1点から20点(真上)です。点数の高いところの隣は、低いものになっています。20点の右が1点、左が5点です。

 特別な場所があり、一番外側のリングがダブル・ゾーンで、そこにダーツが刺さると倍の得点です。20点のゾーンでは外側の赤い部分です。ここは40点。

 中のリングはトリプル・ゾーン、得点が3倍になります。20点のゾーンでは中の赤い部分、60点です。

 一番内側の小さな円をブルといいます。赤い部分がシングルで25点、一番真ん中の黒い部分がダブル・ブルで50点です。

 このボードを、中心が高さ173cmになるようにセットし、237cmの距離から、1回につき3本の矢(ダーツ)を投げて得点を競います。一番得点が高いところは20点のトリプル(60点)なので、まずはそこをねらいます。その20点のトリプル付近が一番痛みやすいので、外側の得点表示(針金)は回すことができるようになっています。

 ダーツボードの直径は45.3cm、得点圏の直径(ダブルの外側の円の直径)は34cm、トリプルの外側の円の直径は21.4cm、ダブルやトリプルの幅は8mm、ブルの直径は31mm、ダブル・ブルの直径は12.7mmです。

 ダーツボードは、縦・横90cm、厚さ1cmの合板に、ダーツの針先が破損しないような厚さ5mmのコルク板を貼り、ダーツがボードからそれても大丈夫なような、自作の保護板にセットします。これ全体を、ダーツボードの中心の高さが173cmになるようにセットするわけです。

 

(2) 矢(ダーツ)

 真鍮(ブラス)かタングステン(+ニッケル)でできています。重さ(質量)は20g〜25g程度です(ルールでは50g以下)。長さはフライトを含めて16cmくらい(ルールでは30.5cm以内)。タングステン製はかなり高価ですが、密度が大きく(金とほぼ同じ19.3×103kg/m3=19.3g/cm3、これより密度が大きいのは白金(21.45g/cm3)など非常に限られる)、同じ重さのブラス製と比べるとスリムにできるので好まれます。つまり、狭いトリプルゾーンをねらうとき、できるだけ細い方が同じゾーンに刺さりやすいですから。

 羽(フライト)の部分やフライトを差し込む部分(シャフト)は消耗品です。このダーツを3本一組で使います。

 その他、ボードに刺さりやすくするための針先に塗るワックスとか、針先を磨くヤスリなどもあります。

上がブラスダーツ(20g)、下がタングステンダーツ(21g)です。 愛用のタングステンダーツ 上左がヤスリ、上中がワックス、あと交換用シャフトとフライト

 

(3) ゲーム

a. 501(ファィブ・オー・ワン) or 301(スリー・オー・ワン)

 正規のゲームです。各々(個人 or チーム)が持ち点(501点 or 301点)から得点を減らしていき、どちらが早く0(ゼロ)するかを競います。ただ、「ダブル・フィニッシュ」というきつい制限があります。つまり、最後はダブル・ゾーンに入れて持ち点をきちんと0にしなくてはなりません。例えば最後に16点が残ったら、8のダブルに入れば上がりです。そんなときに16点以上のゾーンに入ってしまったら、「バースト」といってその回はチャラ(元に戻る)になります。15点に入ってしまっても、残りが1点ですからダブルフィニッシュにはなれないので、これもバーストです。

 ですから点が減ってきたら、持ち点を32点にするようにねらっていきます。もし16点のシングルに入ってしまっても、次は8のダブルをねらえるし、となりの8のシングルやダブルに入っても、まだ上がるチャンスは続きます。

 上がり方の早見表もあり、一番持ち点が多くあがれるのは170点で、20トリプル(60点)、20トリプル(60点)、ダブル・ブル(50点)で上がり、99点からは19トリプル、10シングル、16ダブルということがわかります。

b. チェイス(ミッキー・マウス)

 ダブル・フィニッシュは難しい初心者どうし、あるいは大勢で一度に楽しみたいときのゲームです。10点以上のゾーンを使います。

 ある点数ゾーンに先に3本入れた方(個人 or チーム)に、「得点権」が生じます。相手チームがその点数ゾーンに3本入れるまで、その得点権が生きます。こうして、互いに先に得点権(アライブ)を得る、あるいは相手の得点権を失効させる(キル)ようにゲームを進め、その間に自分の「アライブ」ゾーンで得点を積み重ね、すべての点数ゾーンが「キル」になった時点での得点の多さを競います。

2002年7月記

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