グレタ・ニンプ 綿矢りさ 小学館 ISBN978-4-09-396559-0 1,700円 2026年2月
呉田(くれた)泰司・由衣夫妻は、新婚後の4年間のつらい不妊治療を辞めたとたんに自然妊娠、それが分かったとたん、控えめでおとなしかった由衣が一変、呉田・由衣からグレタ・ユイ・ニンプに変身、グレてしまった?。
言葉遣いも、服装も、髪型も、パンクになってしまった。そればかりか、社会問題・政治問題にも乗り出す。戸惑う夫・泰司、仕事も一生懸命、妊娠して変身した妻のサポートも一生懸命、とはいっても戸惑うばかり。
活字の中でもグレタ・ニンプは大暴れ。これって、“ワープロ”が出始めたころの安部公房もやっていたような(未確認)。この手法は、由衣の言動だけにすればよかったかもしれない。
もう一つ収録されているのは「深夜のスパチュラ」、好きな男の子・羽久に手作りバレンタイン・チョコをプレゼントしようと悪戦苦闘する女子大生・可耶、レシピ本に出ている“スパチュラ”にも戸惑う。でもその男の子はパティシエなみのお菓子作りの名人、逆プレゼントは“いちごとマンゴーと洋梨のタルトフィリュイ”だったという話。ちなみに、“スパチュラ”は”へら”のことらしい。
最年少20歳で芥川賞受賞した彼女(1984年生まれ)が頑張っているのは何より。同時受賞の金原ひとみも存在感を増しているし。
目次
グレタ・ニンプ
一、「八つ墓村」と化した妻
二、妻そしてデニス
三、スキン・ヘッド・パープル
四、たん、たん、不妊治療つらたん
五、ヘイキング
六、あつ子の元氣印
七、ホラー出産
八、愛羅武勇我子
深夜のスパチュラ
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2026年3月