ユダヤ人の歴史

ユダヤ人の歴史 鶴見太郎 中公新書 ISBN978-4-12-102839-6 1,080円+税 2025年1月

  NHK出版の「ユダヤ人は、いつユダヤ人になったのか」(長谷川修一、2023年10月)は、古代史からいきなり近現代史に飛んでしまう感じだが、この本はその間も含めてまんべんなく記述されている。

 それにつけても、長年定住の土地がないのに、“民族”としてのアイデンティティを保持している、またそうであるがために常に差別・迫害の対象にもなり、実際にもホロコーストを受けている。

 つまり平時は「いいユダヤ人は利用できるユダヤ人」ですむところが、混乱時にはその存在さえが忌避されるという存在。現イスラエルの首相はその裏返し、「いいパレスチナ人は死んだパレスチナ人」に なっている。

 日本でも「世界を(裏で)動かしているのはユダヤ人」を信じている人もいる。その一方では、「日本人ユダヤ人同祖説」まで。

 パレスチナを見ると、固有の領土とは何かを考えざるを得ない。何を持って「固有」とするのか。

 現在のユダヤ人問題の焦点は、もちろんパレスチナ(イギリスの3枚舌が諸悪の根源)だが、ウクライナ問題にも関わっている。そもそもウクライナ大統領はユダヤ人だし、ウクライナの人たちはそれを承知で大統領に選んでいる。

目次
まえがき
序章 組み合わせから見る歴史
第1章 古代 王国とディアスポラ
第2章 古代末期・中世 異境国家の中の「法治民族」
第3章 近世 スファrディームとアシュケナジーム
第4章 近代 改革・革命・暴力
第5章 現代 新たな組み合わせを求めて
むすび
あとがき
参考文献
図版出典
ユダヤ人の歴史 関連年表

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2025年8月記

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