ガチャコン電車血風録 地方ローカル鉄道再生の物語 土井勉 岩波ジュニア新書 ISBN978-4-00-500995-4 940円+税 2025年1月
琵琶湖東岸に総延長約 60km(京王電鉄は井の頭線を含めて84.7km)、33駅を持つ近江鉄道復活の物語。2016年完全に経営が破綻する前に県に対してギブアップ宣言をした近江鉄道、その宣言を受け止めて今後の模索を会社と県と路線が通る市町共同で考えることになる。議論は情緒的にならないよう、存続のメリット・デメリット、廃止のメリット・デメリットのデータとファクトを共有することによって、上下分割方式(鉄道の運用は近江鉄道、インフラは県と市町が負担、つまりバスと道路の関係と同じ)にして存続が決定する。
ただ、これ全国のローカル線の参考にはあまりならないと思う。それは、近江鉄道を利用する通勤客(大きな会社が二社ある)や高校生が多くいるということ、つまり逆にいえば、過疎に悩み、観光資源にも乏しいローカル線の現実は厳しすぎると思う。朝ドラ「あまちゃん」で有名になった第3セクター(自治体と鉄道会社行道経営、さらにコスト上の上下分離)三陸鉄道も、厳しい経営が続いているようだ。関東のみなし上下分離(上下とも鉄道会社が保有、自治体の援助を受ける)のいすみ鉄道も去年10月の脱線事故(保線の問題)からまだ再開に至っていない(2月16日 )。みすみ鉄道と自治体との間の復旧費分担の話し合いが終わっていないようだ。ローカル線の経営形態はいろいろあるようで、よくわからないが、ピンチという認識は変わらない。
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2025年2月記