スバル水平対向エンジンの歴史 武田隆 グランプリ出版 ISBN978-4-87687-421-7 3.800円 2024年8月
水平対向エンジンの歴史とともに、そのエンジンを搭載したスバル車を振り返る。確かに水平対向エンジン+4輪駆動(スバルはAWDと表現)で、動力+伝達ユニットを左右対称に配置(スバルはシンメトリカルAWDと表現)はよくできたシステムだと思う。
だが、水平対向エンジンを市販車として採用しているメーカーは、スバルの他ポルシェしかない、ポルシェは少し特殊なメーカーと考えると、やはり採用できない問題点も大きいのだと思う。
でもスバルにとってもっと問題は、EV化の流れだと思う。スバルはトヨタと提携、その結果ハイブリッド車もラインナップに並んだ、そのハイブリッド車は、燃費向上のためというより、動力性能アップのためだという。
アイサイトも、将来的には自動運転を目指すのではなく、あくまでも運転支援、運転する楽しさを残したいとのことだった。
スバルのライバルはスバル、いま乗っているスバル車を買うとき、地元ディーラーに希望する色の実車がなかったので、それがあるという大きな販売店に行こうとしたら、店長が慌てて出てきて、「私がご案内します。」となった。大きなディーラーでそのまま契約されると困るということだったと思う。
いずれにしても、スバルの問題は、あまりに北米市場に偏っていること(7割が北米)、さらにEV化の波。とくに後者は水平対向エンジンの複雑さ、歴史の積み重ね、ノウハウの塊である、そのエンジンがいらなくなるし、さらに前後にモーターを配置すればシャフトもいらない理想の四駆(さらに4輪にモーターを付ければ究極の四駆)になる。つまりスバルの優位性がなくなるという問題、スバルはどこに行くのだろう。
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2025年86月記