日本鉄道廃線史

日本鉄道廃線史 小牟田哲彦 中公新書 ISBN978-4-12-102810-5 1,050円+税 2024年6月

 戦前戦後と「国策」に振り回されてきた鉄道。

 既に住民があまりいない地区を走る鉄道は、よほどの観光資源があるところでない限り、黒字になることはない。鉄道のダイヤも不便、だから住民も車に頼る、ますますの赤字化という悪循環。機能的にはバスで代替といっても、鉄道とバスでは他地域とのつながりという象徴性が異なってしまう。実際問題、バスで代替といっても、過疎地ではバスの運転手の確保すら難しくなっているのが現状ではないだろうか。

 日本全体の人口減、とりわけ一部大都市以外での過疎化、今後の日本は現在のインフラの確保・整備をどうするのか、という時代になってきていると思う。鉄道はその象徴、今後は道路、電気、水道の将来も大変になって行く。どうなって行くのだろう。

 この本で紹介されている廃線。いま住んでいる場所の近くには、国分寺から出ていた下河原線があった。この廃線跡は、この2月に歩いたことがある。

 もう一つ、五日市線(五鉄)もあったなぁと見てみました。立川−拝島間をいまの青梅線とは別な経路で結んでいた鉄道。いまでも一部は青梅短絡線として利用されているようです。

目次
まえがき
第1章 鉄道を廃止するということ
第2章 戦時における廃線
第3章 国鉄時代の赤字線廃止
第4章 災害による廃線
第5章 平成・令和の経営不振路線
第6章 鉄道存廃の議論今むかし
あとがき
主要参考文献一覧

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2024年8月記

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