古墳と埴輪

古墳と埴輪 和田晴吾 岩浪新書 ISBN978-4-00-432020-3 1.220円+税 2024年6月

 本来はお墓としての作られたはずの古墳と、その埋葬品である埴輪を、本来の目的に沿って考察する。ただ、部外者にはとても細かい話しが多いので、読むのがなかなか大変。日本の初期の歴史が好きな人、または古墳や花輪が好きな人にはいいと思う。

 はじめに
第一章 古墳の出現とその実態
 1 古墳の定義と形・数・分布
 2 弥生墳丘墓から古墳へ
 3 墳丘と埋葬施設の変遷
 4 古墳造りの手順──据えつける棺と閉ざされた棺
第二章 他界としての古墳
 1 槨の伝来とその死生観
 2 古墳と船──天鳥船信仰
 3 他界へと向かう葬列
 4 天鳥船信仰の残影
第三章 埴輪の意味するもの
 1 埴輪の種類と変遷──人物・動物出現以前
 2 埴輪の配列とその筋書き
 3 他界表現の完成
 4 人物・動物埴輪の登場
 5 埴輪と副葬品
 6 可視化された他界──埴輪は他界を表現するアイテム
第四章 古墳の儀礼と社会の統合
 1 古墳づくりの実態
 2 王権と古墳の儀礼──古墳づくりは国づくり
 3 古墳の秩序
 4 古墳はなぜ大きくなったのか
第五章 古墳の変質と横穴式石室
 1 古墳時代中期から後期へ──首長連合体制から中央集権的国家体制へ
 2 横穴式石室の導入──儀礼の変容
 3 二系統の横穴式石室──九州的石室と畿内的石室
 4 閉ざされた棺と開かれた棺
 5 横穴式石室と黄泉国訪問神話
 6 開かれた棺と装飾古墳
第六章 古代中国における葬制の変革と展開
 1 槨墓の他界観とその要素(春秋末期・戦国初期?秦・前漢)
 2 槨墓から室墓へ(戦国中心)──変革期に出現した室墓的要素
 3 室墓の定着(秦・前漢)──室墓の他界観と他界への乗物
 4 室墓の発展(後漢)──画像石墓・祠堂と車馬昇仙図
 5 室墓の展開(三国?南北朝)──北朝と南朝の葬制の差
 6 船棺葬(舟葬)──江南の他界への乗物・鳥と船の出会い
第七章 日中葬制の比較と伝播経路
 1 弥生時代
 2 古墳時代前期
 3 古墳時代中期
 4 古墳時代後期
 おわりに
 挿図出典一覧
 参考文献


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2024年8月記

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