カワセミ都市トーキョー

カワセミ都市トーキョー 柳瀬博一 平凡社新書 ISBN978-4-582-86049-8 1,100円+税 2024年1月

 都心で遭遇する、都心で生活・繁殖するカワセミの観察記+なぜカワセミが都心にいるのかを考察する。

 カワセミに遭遇して、あっという間に素晴らしい写真をたくさん撮っている、すごい撮影技術、そして撮影しやすい場所を見つける能力。あと、植生や魚の名にも詳しい。

 筆者の観察ポイント(3つの川)の名は当然ぼかしてあるが、都心(筆者にとってはこれがトーキョー?、多摩地区まで入れたら収拾がつかなくなります)でカワセミに遭遇できる可能性がある場所の一覧はある。

 あと、嶋田忠の「カワセミ−清流に翔ぶ」(平凡社、1979年)以前、創刊間もない平凡社の会員制雑誌「アニマ」の1973年12月号でヤマセミ、さらに1974年2月号では表紙のカワセミで感激した一人。

 ただ、不思議なのは、かつては散歩すれがほぼ必ず会えた野川のカワセミ、ここ数年はほとんど見かけない。自分が遭遇しないのではなく、大砲レンズを持ったカメラマン群もみかけないので、本当にいないのだと思う。かつても出現に細かい波があることもあったが、不在の時期が長い。川の水質、まわりの環境はあまり変わっていないので不思議。またそのうち当たり前の鳥に戻ってくれるだろうか。

※ アニマは動物・昆虫写真家のデビューを促した雑誌だったと思います。キタキツネの竹田津実、ほ乳類と猛禽類の宮崎学(作家の方ではありません)、昆虫の栗林彗や海野和男などなど。

3枚目:アニマ1973年12月号本文
4枚目:アニマ1974年2月号表紙
当時はフィルムカメラ時代。今みたいにバチバチ取ることはできず、計算の上に計算を重ねてカメラをセットしていたはず。

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2024年2月記

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