インターネット文明 村井純 岩浪新書 ISBN978-4-00-432031-9 960円 2024年9月
同じ岩浪新書「インターネット」は1995年だった。もうそれから30年。黎明期は研究者だけだったものが、現在では50億人がアクセスしているという。
この本ではまずその基本となった技術は、パケット通信と共通のプラットホームUNIXであったとこを説く。その他は目次を参照。
筆者は日本の特徴は「誰も置いてきぼりにしない」、だから世界の最先端ではなく、「周回遅れのトップランナー」であり、それはいいことだと繰り返している。まあ、もう世界のトップランナーになることは現実的にも不可能だろうから、それでいいのかもしれない。
目次
プロローグ インターネット史に刻まれたふたつの大事件
第1章 インターネット文明とは何か
第2章 テクノロジーと共に生きる
1 AIとインターネット
2 IoTとインターネット
3 5Gとインターネット
第3章 日常生活に不可欠となったインターネット
1 インターネットにおける文化の多様性
2 インターネットがビッグテックを生んだ理由
3 オンライン課金の仕組みと暗号セキュリティ
4 メディカルインクルージョンの実現に向けて
第4章 インターネット文明の政策課題
1 プライバシー保護と監視社会
2 インターネット規制と国際協調
3 言語と出版文化
4 サイバーセキュリティの三つの空間
5 デジタル庁の発足と日本のDX
第5章 国際政治におけるインターネット
1 インターネットと地理学
2 インターネットと地政学
3 米中摩擦とインターネットの未来
第6章 インターネット文明で果たすべき日本の役割
1 日本の技術開発の底力を見せるとき
2 インターネットの公共性と持続可能性
エピローグ インターネット文明の未来
1 人類がふたたび月面に立つ
2 より良いインターネットを維持するために
あとがき
2024年11月記