江戸の犯罪録−長崎奉行「犯科帳」を読む 松尾晋一 講談社現代新書 ISBN978-4-06-53748-9 1,200円+税 2024年10月
森永種夫の「犯科帳−長崎奉行の記録」(岩浪新書、1962年)とか、石井良助の「江戸の刑罰」(中公新書、1964年)は読んだことがあるが、もう遙か昔のこと。内容は覚えていない。だから、改めてこの類いの本を読んだことになる。
犯罪はその時代やその地域その社会を反映している。とくにここでで取り上げた犯科帳は長崎のものであり(他の地域の犯科帳はあまりきちんと残っていないらしい)、抜け荷(密貿易、人参や生地が多い)にからんだものが多い。
重罪は長崎奉行では判断できず、いちいち江戸に問い合わせていたという。その判決は結構柔軟で、もちろん厳罰のときもあるが、情状を酌量しているときもある。ただ、身分の高いものに甘く、低いものに厳しい傾向にあるともあった。
「犯科帳」の解説本なので範囲外だが、所払いになった人の生活(戻ってきた人も多いようだ)、さらに島流しになった人の生活も知りたいところ。
この本で知ったのは、池波正太郎の「鬼平犯科帳」(読んだこともTVを見たこともない)の編集者が花田紀凱だったということ。若いころはこんなことをやっていたんだ。
目次
序章 江戸時代の「リアル」を知る
第1章 長崎における「罪と罰」
第2章 人間模様様々−酒、男女の仲、喧嘩口論
第3章 犯罪者たちの素顔
第4章 法をくぐり抜けようとする者たち−「抜け荷」を例に
第5章 「隔離」された人たち
終章 「犯科帳」はどんな史料か
おわりに
主要参考文献・参考資料
あとがき
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2024年11月記