風呂と愛国

風呂と愛国 川端美幸 NHK出版新書 ISBN978-4-14-088729-5 980円+税 2024年10月

 「日本人は清潔な国民」だから「日本人は風呂好き」という神話のルーツを探る。まあ、予想通り、明治政府以降の「富国強兵」政策のもと、強い兵隊となるべく健康であるためには、清潔で病気をしないようにしなくてはならないということ、もう一つは対外的に混浴の風習はまずいということで、防火中心だった江戸時代の管理から変換していく。

 この本ではさらに、「良き国民」を育てるための母となるべく女性教育があったこと、また清潔と同義的にも使われるが、より精神性が高い「潔白」という言葉が使われていたことにも言及する。

 日本人は清潔好き(風呂好き)の対となるのは、外国人(欧米人も含めて)は入らないでシャワーで済ませる、湯船に浸からなくても気にならない人が多いのかということには踏み込んでいない。つまり、話題は戦前まで。

※ 一時日本人観光客が席巻してたスイスのホテルでは、バスタブ付きの客室が増えたそうだが、日本人観光客が激減した今日、バスタブを撤去するホテルも多いという。管理を考えるとバスタブはないほうが楽なのでしょう。

 たしか「のらくろ」(田河水泡)だったと思うが、清潔な日本兵対不潔な中国兵・中国人(当時の表現では支那兵・支那人)、だから日本兵は強いというような場面があったような記憶があるが、「のらくろ」は断捨離してしまったようで、確認できない

目次
まえがき
第1章 風呂とは古来なんだったのか 前近代の湯屋と西洋のまなざし
第2章 管理・統制される浴場 明治期の湯屋をめぐる風景
第3章 「風呂好きな日本人」の誕生 入浴はなぜ美徳になったのか
第4章 日本の新しい公衆浴場 欧米の公衆浴場運動と日本人の入浴問題
第5章 近代日本の新たな「母親」像 家庭衛生から「国民」の創出へ
第6章 精神に求められる清潔さ 国民道徳論と「潔白性」
第7章 余のため国のための身体 国民修身教科書のなかの清潔規範
あとがき
注。

furotoaikoku-01.jpg (95313 バイト) furotoaikoku-02.jpg (106692 バイト)

 

2024年11月記

戻る  home