カレー移民の謎 室橋裕和 集英社新書 ISBN978-4-08-721308-9 1,200円+税 2024年3月
確かに街のカレー屋さんって、ネパールの人がやっているお店が多い、看板も「インド・ネパール料理」(インネパ)となっているし、さらに各お店のメニューまで似ているということには気がついていた。この本はその謎を解き明かすものである。
在留人口で見ると、2005年はインド人16,988人に対しネパール人6,953人だったのが、2023年には46,262人:156,333人と完全に逆転、技能を持った人(コックさんも含まれる)は2023年で6,412人:14,040人、たしかにインド人経営、インド人コックさんではなく、ネパール人経営、ネパール人コックさんが多いわけだ。
その謎解きは、目次(裏表紙帯)を見ればだいたいわかると思う。
ただ、このところの円安、日本で稼ぐのは難しくなってきたと思う。じっさいネパールからの出稼ぎ・移民先はカナダとかオーストラリアになってきているそうだ。
初めての海外旅行がネパールだった。海外に行けるなんて一生に一回かもしれないと思い、一度ヒマラヤを直接見たいと思ってネパールを選んだ。40年近く前だったと思う。カトマンズからポカラへ飛ぶ日、雨でポカラの空港が使えない(当時は滑走路が未舗装、ふだんでも牛が寝そべっていた牧歌的な時代)、急遽、現地ガイドさんの車で悪路の陸路を夜通しポカラに向かった。途中のドライブインで現地料理を頼んだ(現地料理しかない)。わりと辛いものは平気な方だと思っていたが、全く食べられなかった。それほど辛かった。本当のネパール料理を出す店は、日本では数少ないと思われる。最も最近は、日本でも激辛のお店(ラーメン屋さん)も出来てきたので、いまなら大丈夫かもしれない。
※ 当時のネパールの車の車のヘッドランプは中央に一つ、ガイドさんがちょっと待っててというので待っていたら、ワイパーを一つ買ってきた。必要なときだけ付けて、また売るみたい。そんな車で真っ暗な悪路をビュンビュン飛ばすので怖かった。でもさらに、満員の乗客を乗せた路線バスが、我々の車を追い越していくので驚いた。
2024年4月記