都市のくらしと野生動物の未来

都市のくらしと野生動物の未来 高槻成紀 岩波ジュニア新書 ISBN978-4-00-500972-5 940円+税 2023年7月

 とりあえず、知識をまとめておくのに便利。まあ危険なものは食べないが、動物の方は遭遇する可能性があるので、気をつけないと。 理論的に表題のようなことを、いろいろな事例を挙げて検討するのではなく(もちろん少しはある)、それよりも筆者の生い立ち(当時の身の回りの環境)や、若い人たちへの思いが色濃くにじみ出ている本。

 都会に出てきたシカのことは、「殺さないで」と大騒ぎになるのに、その後のこと(動物園などに押しつけ)、あるいはシカの「駆除」については何もいわない矛盾を指摘していて、そういう所は共感する。

目次
 はじめに
1章 東京のタヌキ
 1・1 タヌキを調べる
 1・2 タヌキの食べ物を調べる
 1・3 タヌキの働き
 1・4 糞虫を調べる
 1・5 動物の食性とその広がり
2章 昭和という時代
 2・1 私の育った時代 小学校まで(1950年代)
 2・2 私の育った時代 中学時代から(1960年代)
3章 都市と人のくらし
 3・1 トイレの変化
 3・2 都市生活とゴミ
 3・3 「食べては出す」の変化
 3・4 汚染と野生動物
 3・5 環境収容力
4章 都市と野生動物
 4・1 野生動物のロードキル
 4・2 野生動物の都市への出没
5章 みなさんと生きものの未来
 5・1 ビーバー――大きい視点で自然の原理をとらえる
 5・2 日本列島に生きるということ
 5・3 公平な視点
 読書案内
 あとがき
 図版出典

toshinokurashitoyaseidobutsunomirai-01.jpg (153027 バイト) toshinokurashitoyaseidobutsunomirai-02.jpg (145343 バイト)

 

2023年7月記

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