柴田勝家 和田裕弘 中公新書 ISBN978-4-12-102758-0 860円+税 2023年6月
柴田勝家といえば、勇猛果敢な猛将、髭男、でもお市の方とその連れ子たちには優しいという程度のイメージしかなかった。何よりも、頭の回転が秀吉よりもかなり遅いというイメージ。
でも、この本では武将としてだけではなく、奉行(行政官)としてもそつなく仕事をこなしていたこと、本能寺の変の直後も秀吉ほど機敏に対応できなかった状況にあったこと(秀吉だって本当は厳しい状況、滝川一益ほどではなかった)、また秀吉が子飼いの武将を周りに置いたのとは違い、信長から派遣された与一が周りにいたこと(前田利家も、結束が難しい)、最期の潔い死などが書かれている。
戦国時代は武力はもちろんだが、それと同じかそれ以上に調略が重要だったこともわかる。
目次
はじめに
第1章 尾張時代
第2章 近江時代
第3章 越前時代
第4章 本能寺の変と清洲会議
第5章 賤ヶ岳の戦い
終章 勝家王国の崩壊
あとがき
主要参考文献
柴田勝家年譜
2023年7月記