猫語の教科書 ポール・ギャリコ 灰島かり訳 ちくま文庫 ISBN978-4-480-06440-3 600円 1998年12月（2023年4月第40刷、オリジナルは1995年7月筑摩書房）
ある編集者に届いた意味不明な文字の羅列の書類の束、それがじつは複雑な暗号でもなく、簡単に読み解けるものだとわかった。その内容は、「猫の猫による猫のための教科書」だったのだ。つまり人間をどうしつけて、いかに快適な生活を全うするかという本だった。
猫の"習性”といわれてきたものが、本当は計算尽くでの行動だったことがわかる。この本では、猫最大の武器は「声に出さないニャ〜オ」としているが、でも最大の武器は、あの映画「長靴をはいた猫」（2011年）→スピンオフ「悪の三銃士」で描かれているような「宇宙の深淵に吸い込まれるような円らな瞳」だろう。幸いうちのネコは意味不明なだみ声でがなり立てるのが、最大の武器と思っているようなので、冷静に対処できる。
https://youtu.be/UOkrGM5yJhk
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2023年5月記