巨大おけを絶やすな! 竹内早希子 岩波ジュニア新書 IBN978-4-00-500962-6 860円+税 2023年1月
巨大おけに魅入られた筆者が、小豆島の醤油メーカー(ヤマロク醤油)の社長さんとその友達の大工さん2名、ほかに醤油職人、醤油ソムリエールとともに、2012年当時、日本で唯一残っていた木桶メーカー大阪堺市の藤井製桶社に弟子入りして、自分たちの醤油桶を自作する。
それに留まらず、全国の醤油、酒造メーカーにも声をかけ木桶製造の技術(材料確保を含めて)を後世に繋ぐ活動も始める。参加した中には、奥多摩の小澤酒造(澤乃井)の社長小澤順一郎さんもいた。
小澤酒造の酒蔵を見学したとき、その徹底した科学的な管理にも驚いたが、こうすることによって高品質のお酒を安定して供給できるとのことだった。でも、一つだけ木桶があって、社長さんは「この桶だけは社員(季節的な杜氏を雇わず社員が仕込みを行っている)に自由にやらせている。すごくおいしいお酒ができることもあるが、そうでないこともある。」といっていた。この桶で作ったお酒は“彩は(いろは)”として売られている。この桶が自作の桶らしい。
2023年2月記