原子・原子核・原子力 わたしが講義で伝えたかったこと 山本義隆 岩波現代文庫 ISBN978-4-00-600455-2 1,480円+税 2022年10月
山本義隆による「原子・原子核」についての科学史+「原子力」について。2013年3月、駿台予備校千葉校舎新設記念として、千葉校舎に通う生徒(高校生・既卒生・大学生)+駿台物理科+日本史科+数学科の数十人を対象とした講義をもとに加筆し、講義の3倍程度の分量になったものだという。聴衆に高校生もいるのにすごいハイレベルな内容。
※ 若い人は山本義隆を知らないか。
※ 2013年「駿台教育フォーラム」に収録、2015年に岩波から単行本化、2022年に現代文庫化。
科学史といっても、誰々がこういう発見をして、誰々がこういう理論を考えたという通常の科学史ではなく、その科学を担った科学者、当然社会生活も営んでいた科学者の、その社会的な生き様の問題・責任も問うている。半世紀以上経っても変わらぬ問題意識。
原子力についても、結局後世にツケを回すものという批判はその通りだと思う。
※ 目次は裏表紙の帯。
2023年4月記