セックスロボットと人造肉

セックスロボットと人造肉 ジェニー・クリーマン 安藤貴子訳 双葉社 ISBN978-4-575-31736-7 2,500円 2022年8月

 筆者はイギリスのジャーナリスト。取り上げている題材は、セックスの未来(セックスロボット)、食の未来(人造肉)、生殖の未来(代理母から人工子宮)、死の未来(自殺幇助マシン)。内容はそれぞれの技術についての詳しい解説ではなく、開発者(開発社)と、それらに頼ろうとする人たちへのインタビュー、そして筆者の感想からなる。当然筆者の視線はこれらに対して批判的。今のところはお金次第というものだけだし。

 開発者たちの言い分は無理なものもあるが、考えなくてはならないものもある。それぞれ現在進行形なので、判断が難しいものもある。とくに最後。身近な親族が長く“植物人間”の時期を経てから亡くなったたので、現在進行形のころは面会に行くたびに「生きるって何だろう。」と憂鬱な気分になった経験がある。もちろん本質的に脳天気な性格なので、そう思うのは帰路についたときのみだったけど。

 筆者の訳は丁寧で、英語圏なら常識かもしれないが、こちらには全然分からない話題(喩えに使われている人気TV番組とか)の解説もある。

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2023年2月記

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