水木しげるのラバウル戦記

水木しげるのラバウル戦記 水木しげる ちくま文庫 ISBN4-480-03286-X 950円 1997年7月(2015年12月第15刷、オリジナルは1994年7月)

 これは漫画ではなく、絵付きの回想録。絵もあの水木キャラ的なものはラバウル戦記3だけで、ほかは美大を目指した者(終戦後武蔵美に入学したが中退)写実的なデッサン。

 毎日殴られる理不尽な軍隊生活と、村人たちの平和な交流(戦後帰国するときに村に残れと言われたくらい仲良しになっていた)、悲惨な戦闘など水木さんらしい言葉で書かれている。

 ぼんやりと、ラバウルを含むニューブリテン島全体は早い段階で米軍によって制圧されていたと思い込んでいたが、今回一連の水木しげるの本を読んで、ニューブリテン島の東半分(ラバウル)は、最後まで日本の守備隊がいた(だから水木さんもいた)ことを再確認した。まあ、米軍にとって飛行場を機能させなくすれば、それ以上の犠牲を伴う作戦はしないということだったのだろう。

 ニューブリテン島の地図があるとわかりやすいと思う。

目次
はじめに
ラバウル戦記 その一
ラバウル戦記 その二
ラバウル戦記 その三
トーマの日々
ラバウルとの別れ
おわりに
アルバムより

mizukishigerunorabaurusenki-01.jpg (567562 バイト) mizukishigerunorabaurusenki-02.jpg (451654 バイト)

2022年4月記

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