国境を越えたウクライナ人

国境を越えたウクライナ人 オリガ・ホメンコ 群像社 ISBN978-4-910100-22-7 1,500円+税 2022年2月

 ロシアによるウクライナ軍事侵攻前に出た本。本の出版に要する時間からすると、ロシアの軍事侵攻がまったく予想もされなかった昨年の秋ころに企画されたのだと思う。この本はウクライナ出身の科学者・文化人・思想家を取り上げている。

 東大大学院での研究生時代もあったようで、この本も自身が日本語で書いたようだ。正直なところ、これまであまり“ウクライナ出身”(ロシア出身とひとくくり)ということは意識していなかった。新宿中村屋(カレーで有名)と盲人詩人ワシーリ・エロシェンコ(ボルシチのレシピを教えたという)の関係はもちろん、大鵬の父親がウクライナ出身(白系ロシア人の中にウクライナ人も多くいたという)とは知らなかった。

 当然日本のことも詳しく、福沢諭吉なども出てくる。

 取り上げられた人は目次を参照。なかには、日本で初のノーベル賞受賞(1949年湯川秀樹)よりも40年早く、1908年にノーベル医学生理学賞を受賞したイリヤ・メーチコフもいる。

目次
旅する自由思想家フリホーリイ・スロヴォロダー
免疫と長寿の研究のさきがけイリヤ・メーチコフ
二つの大戦をしのいだ最後のロマン派作曲家セリヒーイ・ボルトケーヴィチ
色は命ソニア・ドローネー
社会の利益のためにミハイロ・テレシチェンコ
空を飛ぶ夢を現実にイーゴル・シコールスキイ
極東ウクライナの自立を目指したイワン・スヴィット
日本への熱い思いステパン・レヴィンスキイ
20世紀のマルコ・ポーロ ソフィア・ヤブロンスカ・ウデン
ハプスブルク家出身の「ウクライナ人」ヴァシーリ・ヴィシヴァニイ
おわりに ウクライナ人にとっての「国境」
略年表
参考文献

 

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2022年7月記

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