木から辿る人類史

「木」から辿る人類史 ローランド・エノス 水谷淳訳 NHK出版 ISBN978-4-14-081874-9 2,300円 2021年9月

 最初のうちは「人類史」になっているが、中盤以降はヨーロッパ史になってしまっている。例えば、日本は法隆寺の五重の塔が出てくるくらい。アジアばかりかそれ以外の地域の話もほとんど出てこない。

 新しい木工技術についてもあまり言及がない。それに、森林破壊の影響を軽視しすぎていると思う。伐採・利用はいいとして、それに見合う植林は進んでいるのだろうか。そのあたりの評価がない。つま森林森林資源の活用を世界的にどう進め、維持するのかというは話に繋がっていかない。

目次
第1部 木が人類の進化をもたらした(数百万年前〜1万年前)
 第1章 樹上生活の遺産
 第2章 木から下りる
 第3章 体毛を失う
 第4章 道具を使う
第2部 木を利用して文明を築く(1万年前〜西暦1600年)
 第5章 森を切り拓く
 第6章 金属の融解と製錬
 第7章 共同体を築く
 第8章 贅沢品のための木工
 第9章 まやかしの石造建築
 第10章 文明の停滞
第3部 産業化時代に変化した木材との関わり(西暦1600年〜現代)
 第11章 薪や木炭に代わるもの
 第12章 一九世紀における木材
 第13章 現代世界における木材
 第4部 木の重要性と向き合う
 第14章 森林破壊の影響
 第15章 木との関係を修復する記

 

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2022年2月記

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