爆弾

爆弾 呉勝浩 講談社 ISBN978-4-06-527347-0 1,800円+税 2022年4月

 酔っ払って酒の自動販売機を蹴飛ばし、出てきた酒屋の店主を殴ったとして捕った、自称“スズキタゴサク”。彼は警視庁野方警察署で取り調べを受けている。突然彼は、霊感がひらめいたとして秋葉原の爆弾テロを予告する。そして本当に起こった爆発事件。

 しかしだんだん彼の話は“クイズ”(爆弾を仕掛けた場所と爆破時刻)になってくる。彼は爆弾を仕掛けた犯人なのか、そして首謀者なのか。クイズの過程でいきなり”ハセベユウコウ”の名を出してきた。不祥事を起こして野方署を追われ、自殺したた刑事の名だ。タゴサクとどういう関係なのか。

 こんなしょぼくれたおっさんが本当に犯人なのか。でも、クイズ通りの爆発が起こり続ける。

 事件の重大さがわかった警視庁からは腕利きの刑事たちも送り込まれてくる。野方警察署の刑事たちとの駆け引きもある。刑事たちそれぞれの思い。

 その間にもだんだん広がる爆弾被害。 一部は謎解きができたおかげで防げたものもあるが、甚大なに被害が出てしまったものもある。その後でわかるクイズの意味。そもそも野方署に引っ張られることも計算済みのタゴサク。本当の意図は何か。

 警察(何人もの刑事)vsタゴサクの駆け引きは続く。だんだん明らかになる“ハゼベユウコウ”の意味。事件はタゴサクの単独犯行か、仲間がいるのか、いるとすればどういう関係か。まだ残っているセットされた爆弾は見つかるのか。

 という具合に話が進んでいく。

 

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2022年7月記

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