残念な食べ物事典

ざんねんな食べ物事典 東海林さだお 文春文庫 ISBN978-4-16-791771-5 650円 2021年10月(単行本は2019年5月

 例により、あまり人が気がつかない、気にしないようなことを、針小棒大に、チマチマと、ネチネチと考察する。恋柱・甘露寺蜜璃なら、「チマチマネチネチしてて素敵!」となりそう。蛇柱・伊黒小芭内も脱帽レベル。なんとなくおかしく、共感するというスタイルが、“丸かじり”シリーズのころから何十年も崩れないところがすごい。1937年生まれなので、この本を書いたときにすでに82歳、とてもその年齢を感じさせない。じつは高校の先輩。年齢を感じさせない好奇心。

 「呑み潰れツアーで呑み潰れる人々」でルポした埼玉の清龍酒造の蔵元見学がすごい。ふつうの蔵元見学会は無料、最後に少し利き酒というものが多い中(もちろんお土産としてお酒を購入してもらうという期待も)、ここは3,000円と有料。でも、その中身がすごい、豪華な料理とお酒飲み放題、これではたしかに呑み潰れる人が続出するだろう、ということで清龍酒造のホームページをのぞいてみた。

 まず、安全なサイトではないとChromeの警告が出る、仔細かまずつないだら残念、参加費が4,000円になっていたのはいいとして、2021年3月29日以降中止になっていた。理由が書いてないので、コロナ禍のためなら、コロナが収束したら再開するのだろうか。
http://www.seiryu-syuzou.co.jp/syuzou/tour.html

目次
ラーメン行動学
歯はこう磨けば出世できる
何でも面白がってやろう
「痒い!」の研究
残念な人たち
懐かしや「死んだはずだよお富さん」
対談:東海林さだお×村瀬秀信(ライター・コラムニスト)
 奥が深い! 我らの“チェーン店”道
風景に油断してはいけない
ヘビは長すぎる?
ざんねんな食べ物事典
呑み潰れツアーで呑み潰れる人々
老人とおでん
面白いぞ、業界事典
「山田太郎」を糾弾する
月刊文藝春秋特別寄稿
 僕とインスタントラーメンの60年
解説(長田昭二)

 

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2021年11月記

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