カラー版東京で見つける江戸 香原斗志 平凡社新書 ISBN978-4-582-85975-1 1,050円 2021年5月
筆者は歴史を愛する音楽評論家。いまも堂々と、あるいは細々と残っている江戸時代の遺構を探る。
基本的には江戸城の遺跡と、神社仏閣巡り、公園(大名屋敷)、あと江戸湾埋め立てとか玉川上水。逆いうと、江戸の人口の半数を占めた町人の町(下町)については全くない。そのものが残っていないのでやむを得ないが、町割りなどの当時の風情が残っている場所はあるかもしれない。
カラー版と銘打っているとおり、カラー写真もたくさん入っている。本の最初に出ている地図、江戸城内郭で、本丸とか天守閣とかが、江戸城全体では意外と東北に寄っていることがわかる。こちらは一番の脅威となる可能性のあった、東北地方から攻められたときの正面になる。当然わざとそうしたのだろうが。
目次
はじめに
第1章 江戸城を外から見る
第2章 意外に見つかる武士の町の名残
第3章 震災を生き延びた寺社
第4章 東京は江戸の土木遺産
第5章 東京の中枢に残る江戸城内を歩く
おわりに
主要参考文献
2021年8月記