図解でわかる 14歳から知る 食べ物と人類の1万年史 インフォビジュアル研究所・著 太田出版 ISBN978-4-7783-1738-6 1,500円 2021年1月
“史”とあるが、4つのパートのうち食べ物の歴史はPart 1のみ、残りは食べ物の現状、それもかなり危うい現状についての解説。筆者(大嶋貴洋氏)は、ビーガン(完全菜食)にかなり共感し、そうでなくてもできるだけ肉食を避けるべきという立場である。
遺伝子組み換え作物には反感があるようだ。一方、化学肥料を使わない無農薬水耕栽培(都市における垂直農業で地産地消)、陸での養殖漁業、遺伝子組み換えには反発してもゲノム編集は評価と、価値観がよくわからない。細胞からの培養肉にも期待しているようだし。
食におけるアメリカ支配(じつは巨大無国籍企業)にも、危機感を持っている。たしかに、もう少し一般的には、日本の食糧自給率(カロリーベース)が一貫して下がり続け、1980年代ころから50%、最近では40%を割ってきているというのは、深刻な問題かもしれない。
目次
はじめに
食べ物への欲望とともにあった人類の文明1万年史
Part 1 イエティ君とたどる人と食の歴史紀行
Part 2 人と食の大問題
Part 3 食のイノベーション
Part 4 日本の食が危ない
おわりに
国連食糧計画のノーベル平和賞が私たちに問いかけること
参考文献・参考サイト
索引
2021年3月記