にっぽんのカワセミ

にっぽんのカワセミ 監修矢野亮 編集ポンプラボ カンゼン ISBN978-4-86255-593-9 1,500円 2021年4月

 カワセミの写真集でもあり、解説本でもある。この本でも触れられているが、カワセミの写真といえば島田忠氏、まだ創刊後間もなかった平凡社のアニマという雑誌で衝撃的なデビュー。写真集も出た。まだフィルムカメラの時代、埼玉県高麗川をフィールドとし、撮影方法も考えながら(現在真似をするのはやめた方がいいと思う)、素晴らしいものだった。だが、デジカメが普及し、性能もかつての一眼レフを凌駕するようになった今日(とくにフィルムの残り枚数を考えながら撮る必要がなくなり(何枚でも撮れる)、ISO感度が飛躍的高くなった=暗いところでも高速シャッターを切れる、さらにオートフォーカスの性能も格段と精度が上がり)、素人でも当時の島田氏の写真よりもシャープな写真を撮る人も出てくる。当然、島田氏はその先を行っているわけだが。

 この本では都会のど真ん中ともいえる、目黒の自然教育園(港区白銀台)の池でカワセミの観察を続けた矢野亮氏の生態観察記録、この本に素晴らしい写真を提供したカメラマンのコメントなどもある。

 もちろん自分の技術がダメなことが大きいが、正直フルサイズの高級デジカメにかなわない。ということもあり、さらに鳴き声や水にダイブするときの音も楽しいので、おもに動画で撮ってきた。しばらく撮りに行っていないが、機会を見つけてまた行ってみるか。

※ アニマ:平凡社が出していた自然雑誌(昆虫を含めた動物をが多い)。1973年〜1993年まで。当社は会員制の雑誌だった。全冊そろっているはず。創刊号は竹田津実氏のキタキツネ、宮崎学氏(小説家の方ではありません)の猛禽類や日本の野生動物などにも惹かれた。昆虫では海野和男氏、栗林慧氏、ほかにも星野道夫氏もいたなぁ。

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2021年4月記

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