きらめく共和国

きらめく共和国 アンドレス・バルバ 宇野和美訳 東京創元社 ISBN978-4-18-01105-5 1,800円 2020年11月


 具体的な位置は明言されていないが、いかにも中南米のスペイン語圏と思われる、とある国にある、ジャングルと茶色の川がそばにあるサンクリストバルという架空の町で起こった奇妙な事件。


 おおざっぱな筋は裏表紙の帯を参照。先住民定住プログラムの能力を買われ、さらに年上の妻(妻は再婚者で娘がいる)の故郷であるこの町の社会福祉課の管理職としてスカウトされたという人が、22年前の当時のことを語るという形になっている。


 子供たちはどこに住んでいて(当然ジャングルの可能性)、何語を話しているのか、そもそも何者たちか、そして何でいっせいに死んでしまったのかという謎を解きながら(なので帯以上の筋は紹介できない)、その過程で貧困・差別という問題が突きつけられていく。ちょっと読後感が不思議な小説だと思う。

見て見ぬ振りが、彼らが暴力をも振るようになったため、現実に対峙せざるを得なくなった(語る人を含む)大人たち、大人たちは負い目を感じ、また現実を見ることになる。

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2021年1月記

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